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6 「ラウンドシステム」について

更新日:2019年5月20日

メールの内容

 熊谷市報4月号、28ページの「英語『ラウンドシステム』の考え方を全学年、全教科で実践」という文言に関連して2点質問させて頂きます。

1、「ラウンドシステムの考え方」とはどのようなものでしょうか。また、それを英語以外の科目に広げることにより、学力を伸ばす上でどのような効果が見込めるとお考えでしょうか。
 「ラウンドシステム」がどのような指導法であるか、どのように授業が進んでいくかについては、ある程度承知しています。後述しますがその件に関する情報公開には不足があると考えておりますが、それでも「何が行われているか」については最低限示されていると思います。
 しかしながら、その背後の「考え方」については、少なくとも英語以外の科目も含めた大きな枠組みの中で示されたことはなかったと思います。市のホームページのサイト内検索でそれらしきスライドを1枚見つけましたが、これだけではいわゆる「アクティブラーニングを目指していくのかな」という推測しかできません。
 ( http://www.city.kumagaya.lg.jp/about/soshiki/kyoiku/gakkokyoiku/oshirase/kihonkeikaku.files/round.pdf
 まず、それがどのようなものであるかを明確にして頂き、そしてその考え方を実践することが、全学年、全科目という極めて普遍的なレベルで有益である理由をお聞きしたいです。また、現時点で具体的に他教科でどのような実践を想定しておられるのかも合わせてお聞かせ下さい。

2、現時点でのラウンドシステムの効果の検証はどうなっているのでしょうか。また過日行われたGTECの結果はどうだったのでしょうか。
 昨年度、市の予算を特別につけて、タブレットを利用した英語4技能テストGTECが実施されたと聞いています。このテストにより、ラウンドシステムの効果を確認し、さらに今後の方針の策定に役立てる、ということであったかと思います。
 しかしながら、鳴りもの入りで実施され、さらに公金を投じて特別のテストまで行っているにも関わらず、ラウンドシステムは効果があったのか、あるいはどのような課題があるのか、市民には何も知らされないままです。実際、市のホームページのサイト検索を使った限りではラウンド制に疑義を唱える「市長へのメール」に対する反論という形でしか公式情報を見つけることができませんでした。
 噂では、あまりに結果がひどいために公表できないのだという声まで聞こえています。その真偽はともかく、GTECを実際に受検した中学生に尋ねると、「タブレットのペンの認識率が悪くて文字が入力できなかった」「ヘッドセットを使った発話テストは他の子の発話が聞こえていて、中にはそれをまねて回答する者もいた」など、そもそもテストとしての意義を疑問とせざるを得ない証言がいくつかありました。
 さらにラウンドシステムでの授業については「友達と全く関係ない話をしていて、先生が近付いてきた時だけちゃんとやってるふりをする」「延々わけのわからない音声を聞かされて眠い」と聞きました。ラウンド制でも最近は文法解説のプリントが配られるようになったようですが、そのプリントの内容について尋ねてもまるでわかっていない様子、「自習して来いと言われた」と言う話で、耳を疑いました。
 このように、ラウンドシステムの効果については公式情報がほぼなく、密かに聞こえてくる情報は不安を覚えてしまうものばかりです。先述のPDF ファイルには「本市では…いわゆる「知力」だけを学力とは捉えていません」とありましたが、それ自体はもっともな話としても、それだからと言って「知力」向上の検証がおろそかであって良いことにはなりません。
 全教科、全学年に拡大する前に、現時点で実際のところどうなのか、できれば具体的なデータを踏まえ、認識をお聞かせ下さい。

 上記2点、ご回答いただけましたら幸いです。なお、ラウンド制については以前も2回ほど関連する質問をさせて頂き、その都度、教育委員会の方にお電話でご説明頂きました。
 いずれにおいても、しがない一市民を相手に1時間ほどお話くださって、誠意ある対応をして頂いたと思っています。しかし大意としては「具体的なデータは出せない」「現時点で問題があっても今後改善していくから問題ない」というお話で、平行線な感じは否めませんでした。またその際、今後はラウンドシステムについてなるべく公式情報を出していくようにする、というお話を伺ったように思うのですが、その後そのような様子がないのは残念です。
 以上のような経緯がありますので、今回は電話はご遠慮します。この件は私的な要素を含まない、市内の中学生の教育の有りようと言う、まったく公的な問題ですから、ホームページ上への公開という形でご回答頂くことに何の不都合もないと考えております。
 以上、拙い長文をお詫びいたします。

回答(平成31年4月22日)

 頂きました「市長へのメール」に、お答えいたします。
 
 「ラウンドシステムの考え方」とは、「笑顔」「対話」など10のポイントを大切にし、子どもたちをかまい、一人一人と向かい合う授業を実践するというものです。この考え方を全学年、全教科で実施するとともに、「くまがやラグビー・オリパラプロジェクト」で「知識・技能」、「思考力・判断力、表現力」、「学びに向かう力、人間性等」、いわゆる汎用的能力を育成してまいります。
 ラウンドシステムの検証とGTECの結果につきましては、先日新聞でも報道された、「平成30年度英語教育実施状況調査」の結果をもとにお答えします。「埼玉県」は国が示す英語力の水準(CEFR「A1」)に達した生徒が45.3%でした。都道府県第1位は「福井県」で61.2%です。熊谷市は、「福井県」とほぼ同等の水準にあり、GTECの結果も含まれた数字になっています。
 このようなことからも、ラウンドシステムを導入した英語教育の成果が出ていると考えておりますので、ご理解を頂きたいと存じます。

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