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妻沼聖天山の建造物9件が国登録有形文化財に

更新日:2016年11月18日

妻沼聖天山の建造物9件について国登録有形文化財に登録されることが決まりました

歓喜院仁王門
登録される建造物のうちの一つ「歓喜院仁王門」

 平成28年11月18日(金曜日)、国の文化審議会は熊谷市の妻沼聖天山に所在する「歓喜院籠堂(かんぎいんこもりどう)、鐘楼(しょうろう)、閼伽井堂(あかいどう)、三宝荒神社(さんぽうこうじんしゃ)、五社大明神(ごしゃだいみょうじん)、天満社(てんまんしゃ)、仁王門(におうもん)、水屋(みずや)、平和の塔(へいわのとう)」9件を登録有形文化財(建造物)に登録するよう、文部科学大臣に答申しました。

 国宝「歓喜院聖天堂」や重要文化財「貴惣門」を手掛けた大工や彫刻士が関わった物件があるほか、地域の信仰や風土の歴史を明らかにするものとして評価されたものです。

 平成27から28年度、熊谷市教育委員会は国登録有形文化財への具申に向けて、妻沼聖天山内の建造物について測量・図面化や概要調査を実施しました。
 この登録により、市内の登録有形文化財は12件になります。(現在、他に「坂田医院旧診療所」、「熊谷聖パウロ教会」とその「門」の3件が登録されています。)

妻沼聖天山・国登録有形文化財の位置図

妻沼聖天山・国登録有形文化財の位置図
妻沼聖天山・国登録有形文化財の位置図

登録される建造物の主な特徴(建立年等については次項の各建物の概要をご参照ください)

 歓喜院(妻沼聖天山)は、熊谷市妻沼に所在する高野山真言宗の寺院で、「歓喜院聖天堂(かんぎいんしょうでんどう)が国宝、「貴惣門」(きそうもん)が重要文化財に指定されています。今回、境内建造物群のうち9件が、新たに登録有形文化財(建造物)に登録されることになりました。
 「籠堂(こもりどう)」は、聖天堂の北東に位置する、木造2階建、寄棟造(よせむねづくり)、桟瓦葺(さんがわらぶき)の建物で、南東には唐破風造(からはふづくり)銅板葺の玄関を設けています。1・2階とも8畳6室を2列に並べ、四周に廊下を廻らしています。2階客殿は、透彫(すかしぼり)の欄間(らんま)などの装飾が見られ、明治18年(1885)と翌19年に昭憲皇后が休息所として使用されたと伝えられています。
 「鐘楼(しょうろう)」は、籠堂の西に位置する入母屋造(いりもやづくり)桟瓦葺の鐘楼で、石造とコンクリート造の二重の基壇上に建てられています。基壇は大正期にかさ上げされたものを、昭和26年に再整備しており、建ちの高い特異な外観を見せています。
 「閼伽井堂(あかいどう)」は、仁王門の南に位置する木造平屋建、入母屋造銅板葺の建物で、中央に井戸を据えた土間と水天宮(すいてんぐう)を祀る一室からなっています。軒廻りに精緻な彫刻を施しており、小規模ながら上質のしつらえを見せています。大工棟梁は、貴惣門を建てた林正道(はやしまさみち)、彫刻は3代目石原常八(いしはらつねはち)の息子、高沢介之助と伝えられています。
 「三宝荒神社(さんぽうこうじんしゃ)」は、聖天堂の背面側に位置する一間社流造(いっけんしゃながれづくり)、素木造(しらきづくり)、銅板葺の小社で、軒廻りを彫刻で賑やかに飾り、高い大工技術を示しています。大工棟梁は、国宝の聖天堂拝殿を建てた林兵庫正信(はやしひょうごまさのぶ)です。
 「五社大明神(ごしゃだいみょうじん)」は、聖天堂の背面、三宝荒神社の南側に位置する切妻造(きりづまづくり)銅板葺の社殿で、(南から)神明宮(しんめいぐう)、稲荷大明神(いなりだいみょうじん)、諏訪大明神(すわだいみょうじん)、灌頂神(かんじょうじん)、井殿大明神(いどのだいみょうじん)の5神を祀っています。軸部は弁柄塗(べんがらぬり)で、軒廻りの虹梁や妻飾りなど、華やかな装飾を見せています。大工棟梁は林兵庫正信です。
 「天満社(てんまんしゃ)」は、聖天堂の背面、五社大明神の南側に位置する一間社流造、素木造、銅板葺の小社です。軒廻りの彫刻など、三宝荒神社とほぼ同じ形で、境内の形成過程を知ることができます。大工棟梁は林兵庫正信です。      
 「仁王門(におうもん)」は、参道の奥、聖天堂の正面に建つ大規模な門で、左右に仁王像を安置しています。屋根は入母屋造瓦棒銅板葺で、中央の虹梁には花鳥の精緻な彫刻を飾っています。大工棟梁は林(はやし)正啓と伝えられています。明治24年に隣接するイチョウが台風により倒木し、建物が倒壊。明治27年に再建されました。
 「水屋(みずや)」は、仁王門の正面南寄りに位置する切妻造桟瓦葺の水屋で、中央に石製の水盤を据えています。軒廻りに様々な彫刻を施すなど、規模に比べ豪奢で重厚な印象を与える建物となっています。
 「平和の塔(へいわのとう)」は、境内北方の盛土上に建つ総欅造の多宝塔(たほうとう)で、昭和26年に締結されたサンフランシスコ平和条約を記念し、戦没者の供養と世界恒久平和を祈願して昭和33年に建立されたものです。内部には、十一面観世音菩薩や大日如来、弘法大師などの仏像が安置されています。大工棟梁は林亥助(はやしいすけ)です。

各建物の概要・構造等と外観

1 歓喜院籠堂
 (1)員数 1棟
 (2)所在の場所 熊谷市妻沼1511
 (3)構造・形式 木造2階建、瓦葺、建築面積185平方メートル
 (4)年代 明治12年/昭和30年代後半増築
 (5)登録基準 「一 国土の歴史的景観に寄与しているもの」

歓喜院籠堂
歓喜院籠堂

2 歓喜院鐘楼
 (1)員数 1棟
 (2)所在の場所 熊谷市妻沼1511
 (3)構造・形式 木造2階建、瓦葺、建築面積35平方メートル
 (4)年代 宝暦11年(1761)/大正期・昭和26年改修
 (5)登録基準 「一 国土の歴史的景観に寄与しているもの」

歓喜院鐘楼
歓喜院鐘楼

3 歓喜院閼伽井堂あかいどう
 (1)員数 1棟
 (2)所在の場所 熊谷市妻沼1511
 (3)構造・形式 木造平屋建、銅板葺、建築面積15平方メートル
 (4)年代 江戸後期
 (5)登録基準 「一 国土の歴史的景観に寄与しているもの」

歓喜院閼伽井堂
歓喜院閼伽井堂

4 歓喜院三宝荒神社
 (1)員数 1棟
 (2)所在の場所 熊谷市妻沼1511
 (3)構造・形式 木造平屋建、銅板葺、建築面積3.9平方メートル
 (4)年代 天明7年(1787)/平成23年改修
 (5)登録基準 「二 造形の規範となっているもの」

歓喜院三宝荒神社
歓喜院三宝荒神社

5 歓喜院五社大明神
 (1)員数 1棟
 (2)所在の場所 熊谷市妻沼1511
 (3)構造・形式 木造平屋建、銅板葺、建築面積15平方メートル
 (4)年代 天明3年(1783)/平成23年改修
 (5)登録基準 「二 造形の規範となっているもの」

歓喜院五社大明神
歓喜院五社大明神

6 歓喜院天満社
 (1)員数 1棟
 (2)所在の場所 熊谷市妻沼1511
 (3)構造・形式 木造平屋建、銅板葺、建築面積3.8平方メートル
 (4)年代 天明5年(1785)/平成23年改修
 (5)登録基準 「二 造形の規範となっているもの」

歓喜院天満社
歓喜院天満社

7 歓喜院仁王門
 (1)員数 1棟
 (2)所在の場所 熊谷市妻沼1511
 (3)構造・形式 木造平屋建、銅板葺、建築面積75平方メートル
 (4)年代 明治27年
 (5)登録基準 「一 国土の歴史的景観に寄与しているもの」

歓喜院仁王門
歓喜院仁王門

8 歓喜院水屋
 (1)員数 1棟
 (2)所在の場所 熊谷市妻沼1511
 (3)構造・形式 木造、瓦葺、面積3.4平方メートル
 (4)年代 明治中期
 (5)登録基準 「一 国土の歴史的景観に寄与しているもの」

歓喜院水屋
歓喜院水屋

9 歓喜院平和の塔
 (1)員数 1棟
 (2)所在の場所 熊谷市妻沼1511
 (3)構造・形式 木造多宝塔、銅板葺、建築面積17平方メートル
 (4)年代 昭和33年
 (5)登録基準 「一 国土の歴史的景観に寄与しているもの」

歓喜院平和の塔
歓喜院平和の塔

妻沼聖天山・国登録有形文化財「調査報告会」の開催

今回の登録答申を受けて、登録される文化財を含めた妻沼聖天山の建造物についての調査報告会を開催します。皆様のご参加をお待ちしております。

日時:平成28年11月27日(日曜日)15時から16時30分まで 
入場無料(事前申込み不要)
会場:歓喜院籠堂及び境内(本殿拝観料は別途必要)
内容:調査報告「妻沼聖天山と関連建造物の歴史」(熊谷市立江南文化財センター)
問合せ:熊谷市立江南文化財センター 電話:048-536-5062

妻沼聖天山についてはこちらをご覧ください。

このページについてのお問合せは

江南文化財センター
電話:048-536-5062(直通) ファクス:048-536-4575

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