文化庁100年フードに「妻沼のいなり寿司」が認定されました
更新日:2023年12月28日
令和4年度 文化庁100年フードに、熊谷を代表する食文化の一つ「妻沼のいなり寿司」が認定されました。
妻沼のいなり寿司
文化庁では、我が国の多様な食文化の継承・振興への機運を醸成するため、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を、100年続く食文化「100年フード」と名付け、文化庁とともに継承していくことを目指す取組を推進しています。
初年度となる令和3年度は、応募のあった212件について、有識者委員会による審査が行われた結果、認定基準を満たした131件を認定しました。また、有識者からの評価が特に高かった15件を有識者特別賞として、熊谷地域の「五家宝」が受賞したことは朗報となりました。そして、2回目となる令和4年度は、応募のあった90件について審査が行われ、認定基準を満たした70件が認定されました。その中で、熊谷地域の食文化の一つである「妻沼のいなり寿司」が江戸時代から続く「伝統部門」として、全国の代表的な食や産品とともに認定されました。
認定概要・食文化の概要
熊谷市妻沼地域の名物「いなり寿司」は、しょうゆと砂糖で煮込んだ油揚げに酢飯を詰めた細長い俵の形で、他の地域より長いという特徴がある。通常、いなりずし3本に巻きずしを加え、一人前として売り出している。江戸時代、利根川の水運により、江戸で流行した「稲荷寿司(いなりずし)」が妻沼へ伝わり、河岸で働く人々や、妻沼聖天山の参拝者などに喜びと満腹感を与えた。現代の妻沼には「いなり寿司」の名店が並ぶ。江戸時代中期、国宝「歓喜院聖天堂」建立と同時期に創業した茶屋「毛里川(もりかわ)」が前身の「森川寿司」、明治時代の門前茶屋を発祥とする「小林寿司」、戦後、聖天山四脚門近くに店を構えた「聖天寿し」などが郷土の味を作り続けている。現在では国宝建造物を前にした名物として人気を集めている。
文化庁100年フード・ホームページ
食文化あふれる国・日本|文化庁 (foodculture2021.go.jp)(外部サイト)
「妻沼のいなり寿司」に関する参考文献の紹介
渡辺未紀 2018 「稲荷ずし縁起ー埼玉・妻沼に伝わる江戸の稲荷ずしに関する―考察-」京都芸術大学卒業研究(外部サイト)