熊谷市上新田に所在する「諏訪神社本殿」が埼玉県の文化財に!
更新日:2016年3月14日
熊谷市上新田に所在する「諏訪神社本殿」が埼玉県の有形文化財・建造物に指定されることが決定しました。
諏訪神社本殿
3月9日、上新田地内に所在する「諏訪神社本殿」(熊谷市指定有形文化財・建造物)が、埼玉県指定有形文化財・建造物に指定されることが決定しました。「埼玉県の近世寺社特有の「彫刻装飾を施した寺社建築」の例として年代的に古く稀有な事例であり、県北部を代表する神社建築の一つとして非常に重要である」として高く評価されました。正式な指定日は3月15日付となります。
諏訪神社本殿の彫刻
「諏訪神社本殿」は、柴田信右衛門豊忠によって延享3年(1746年)の創建されたと伝えられ、その後、嘉永5年(1852年)に補修されました。創建時の棟札によると、「歓喜院聖天堂」の造営に関わった三ヶ尻村出身の内田清八郎が大工棟梁となり、上州花輪村出身の石原吟八郎が彫刻を担当しました。また、林兵庫正清が細工の意匠に関わり、彩色は聖天堂と同じく狩野派の絵師が施し、高い技術力を発揮しました。桧皮葺の屋根は、信州松本城下の太田松右衛門などの技術に委ねられ、名工集団によって本殿の建立がなされたことがわかります。
本殿は、間口1.47m、奥行2.27mの欅造による一間流社造で、正面には屋根が張り出した向拝を設けています。各所に施された人物や動植物の装飾彫刻から放たれる雰囲気が際立ち、実際の規模以上の風格を感じることができ、江戸時代中期の熊谷地域が彫刻技術の最先端の地であったことを示す貴重な建造物です。
今後、所有者の諏訪神社及び地元関係者、熊谷市教育委員会では一般公開を予定しています。詳細が決まり次第、お知らせします。