このページの先頭です

熊谷市文化財の新指定について―「長慶寺本堂・薬師堂」及び「長慶寺薬師堂厨子」―

更新日:2023年12月6日

長慶寺本堂・薬師堂」及び「長慶寺薬師堂厨子」が熊谷市の有形文化財に指定されました。

令和2年8月5日開催の令和2年度第2回熊谷市文化財保護審議会において審議した結果、「長慶寺本堂・薬師堂」及び「長慶寺薬師堂厨子」の文化財指定について適当とされたことから、令和2年度9月定例教育委員会(8月28日開催)の議案として提出し、承認されました。つきましては、次の内容が8月28日付で熊谷市の文化財に新たに指定されたことを報告します。

文化財の指定について(概要)

1 長慶寺本堂・薬師堂

(1)種別・種類

有形文化財(建造物)

(2) 数量

1基

(3)所在地

熊谷市西城93-1

(4) 所有者

宗教法人長慶寺

(5)概要

 長慶寺本堂は、熊谷地域をはじめ北関東で広く活躍した、上州花輪村の彫刻師の祖である石原吟八郎と弟子たち、そして国宝「歓喜院聖天堂」の棟梁の林兵庫正清を中心とした建築大工集団の協働関係が、薬師堂及び厨子の設計と建立において凝縮して表現された歴史を再認識することができる。
 長慶寺薬師堂は、聖天堂建立以前の時期の棟札等も発見されていることからも、薬師堂の建立が聖天堂の技術的基礎を試行する実例としての価値を見出すことができる。また、薬師堂の各所に配された意匠とともに、内部の中央に施工された厨子の構造の双方に含まれる技術は、他の類例と比較しても高いことが分かる。
 調査によって、妻沼聖天山の歓喜院聖天堂の建立期の棟梁及び彫物師集団の存在を示す知見を得ることができ、これらの点を複層的に判断すると、「薬師堂」及び「本堂」は有形文化財建造物としての価値を有していると考えられる。

長慶寺本堂1
長慶寺本堂

長慶寺薬師堂1
長慶寺薬師堂

2 長慶寺薬師堂厨子

(1)種別・種類

有形文化財(歴史資料)

(2) 数量

1基

(3)所在地

熊谷市西城93-1

(4) 所有者

宗教法人長慶寺

(5)概要

 長慶寺薬師堂厨子は、江戸時代中期以降における改修の歴史に関する情報が、部材の変遷等からも明らかになっており、建造物の保存が維持された上で、地域の信仰の拠点として現在に引き継がれてきた文化性は意義深いものであると評価できる。
 よって本資料は、熊谷地域の寺社建造物の派生と彫刻師の系譜を示す実例として、有形文化財の歴史資料としての価値を有していると考えられる。

長慶寺薬師堂厨子1
長慶寺薬師堂厨子

調査担当

熊谷市立江南文化財センター 

このページについてのお問合せは

江南文化財センター
電話:048-536-5062(直通) ファクス:048-536-4575

この担当課にメールを送る

本文ここまで
サブナビゲーションここから

お知らせ

サブナビゲーションここまで