上場株式等の配当所得および譲渡所得の個人住民税の所得税と異なる課税方式の選択について(令和5年度まで)
更新日:2023年11月21日
制度の説明
平成29年度税制改正で、上場株式等の特定配当等に係る所得、特定公社債等の利子所得等や特定株式等譲渡所得等に係る課税方式(申告不要制度・申告分離課税・総合課税)については、所得税と異なる課税方式を選択できることが明確化されました。
例えば、上場株式等の配当所得について、所得税の確定申告では総合課税を選択し、個人住民税(市民税・県民税)では申告不要制度を選択することができます。(令和5年度まで)
所得の種類 | 選択できる課税方式 | ||
---|---|---|---|
上場株式等の配当所得 | 総合課税 | 申告分離課税 | 源泉分離課税 (申告不要制度) |
特定公社債等の利子所得等 | ― | 申告分離課税 | 源泉分離課税 (申告不要制度) |
上場株式等の譲渡所得等 | ― | 申告分離課税 | 源泉分離課税 |
注意
令和4年度税制改正により、令和6年度(令和5年分)から、個人住民税の特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額の課税方式について、所得税と一致させることとなりました(所得税と異なる課税方式を選択することはできません。)。
詳しくは、上場株式等の配当等に係る所得税と市民税・県民税の課税方式の一致についてをご覧ください。
対象となる所得
上場株式等の配当所得、特定公社債等の利子所得等及び上場株式等の譲渡所得等(所得税15.315パーセントが源泉徴収、市民税・県民税5パーセントが特別徴収されているもの)
(ご注意)所得税及び個人住民税の源泉・特別徴収がない口座(簡易申告口座、一般口座等)において生じた譲渡所得等については申告不要とすることはできません。
また、所得税のみ20.42パーセント源泉徴収されている配当所得等については個人住民税を申告不要とすることはできません。
課税方式の選択による影響
上場株式等の配当所得
総合課税を選択する場合
市民税・県民税の税率が10パーセントになりますが、配当控除を適用することができます。また、配当所得金額が合計所得金額、総所得金額等に算入されます。
申告分離課税を選択する場合
市民税・県民税の税率は5パーセントで特別徴収と変わりません。上場株式等の配当所得・特定公社債等の利子所得等・上場株式等の譲渡所得等と損益通算できます。配当所得金額が合計所得金額、総所得金額等に算入されます。
申告不要制度を選択する場合
市民税・県民税は5パーセントの特別徴収で課税関係が終了します。配当所得金額が合計所得金額、総所得金額等に算入されません。
総合課税 | 申告分離課税 | 申告不要制度 | ||
---|---|---|---|---|
税率 | 所得税 | 累進課税率 | 15.315パーセント | 15.315パーセント |
市民税・県民税 | 10パーセント | 5パーセント | 5パーセント | |
配当控除 | あり | なし | なし | |
配当割額控除 | あり | あり | なし | |
上場株式等に係る譲渡損失との損益通算 | できない | できる | できない(注1) | |
不動産所得、事業所得等に係る損失との損益通算 | できる | ― | ― | |
合計所得金額(総所得金額等)への算入 | 算入 | 算入(注2) | 不算入 |
注1 同一の源泉徴収のある特定口座(以下、源泉徴収口座という。)内の上場株式等に係る配当所得等と上場株式等の譲渡損失は、その源泉徴収口座内で損益通算されています。
注2 上場株式等に係る譲渡損失と上場株式等に係る配当所得等との損益通算の特例の適用を受けている場合にはその適用後の金額で、かつ、上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の適用前の金額になります。
特定公社債等の利子所得等、上場株式等の譲渡所得等
申告分離課税を選択する場合
市民税・県民税の税率は5パーセントで特別徴収と変わりません。上場株式等の配当所得・特定公社債等の利子所得等・上場株式等の譲渡所得等と損益通算できます。特定公社債等の利子所得等金額または上場株式等の譲渡所得等金額が合計所得金額、総所得金額等に算入されます。
申告不要制度を選択する場合
市民税・県民税は5パーセントの特別徴収で課税関係が終了します。特定公社債等の利子所得等金額または上場株式等の譲渡所得等金額が合計所得金額、総所得金額等に算入されません。
申告分離課税 | 申告不要制度 | ||
---|---|---|---|
税率 | 所得税 | 15.315パーセント | 15.315パーセント |
市民税・県民税 | 5パーセント | 5パーセント | |
配当割額控除 | あり | なし | |
上場株式等に係る譲渡損失との損益通算 | できる | できない | |
合計所得金額(総所得金額等)への算入 | 算入 | 不算入 |
申告分離課税 | 申告不要制度 | ||
---|---|---|---|
税率 | 所得税 | 15.315パーセント | 15.315パーセント |
市民税・県民税 | 5パーセント | 5パーセント | |
株式譲渡所得割額控除 | あり | なし | |
上場株式等に係る配当所得との損益通算 | できる | できない(注3) | |
合計所得金額(総所得金額等)への算入 | 算入 | 不算入 |
注3 同一の源泉徴収口座内の上場株式等に係る配当所得と上場株式等の譲渡損失はその源泉徴収口座内で損益通算されています。
所得税と異なる課税方式(申告不要制度)の選択
個人の市民税・県民税の納税通知書が送達される日までに、確定申告書を提出する際に、第2表中「住民税・事業税に関する事項」で「特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部の申告不要」を選択いただくか、以下の必要書類を熊谷市にご提出いただくことにより、所得税と異なる課税方式(申告不要制度など)を選択することもできます。
源泉徴収口座内の上場株式等の譲渡所得等についても、上場株式等の配当所得と同様に、原則申告は不要ですが、株式譲渡損失の繰越控除等の適用を受けるために、申告(申告分離課税)することもできます。また、上場株式等の配当所得と同様に、個人の市民税・県民税の納税通知書が送達される日までに、確定申告書を提出する際に、第2表中「住民税・事業税に関する事項」で「特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部の申告不要」を選択いただくか、以下の必要書類を熊谷市にご提出いただくことにより、所得税と異なる課税方式(申告不要制度)を選択することもできます。
確定申告書の提出により課税方式を選択する方法(令和4年度(令和3年分)から新設)
確定申告書第2表中「住民税・事業税に関する事項」で「特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部の申告不要」を選択いただくことで課税方式を選択することができます。
注意
この方法で選択できる課税方式は特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部の所得を申告不要とする場合のみです。一部の所得を申告不要とする場合(例:配当所得は総合課税を選択し、譲渡所得は申告不要とする場合)は次の「必要書類を熊谷市に提出することにより課税方式を選択する方法」をご覧ください。
必要書類を熊谷市に提出することにより課税方式を選択する方法
以下の書類を提出することで、課税方式を選択することができます。
1.市民税・県民税申告書付表
2.確定申告書の本人控の写し
3.個人住民税の特別徴収税額が確認できる書類の写し(特定口座年間取引報告書等)
注意事項
個人住民税以外の各種行政サービスに影響があるため、適用する課税方式は、申告者の判断で選択してください。
PDF形式のファイルを開くには、Adobe Acrobat Reader DC(旧Adobe Reader)が必要です。
お持ちでない方は、Adobe社から無償でダウンロードできます。
Adobe Acrobat Reader DCのダウンロードへ