夏◇ 小麦
更新日:2015年6月5日
【特徴】
熊谷市では、主に水田裏作を中心とした米と麦の
※二毛作:同じ耕地で、1年のうちに2種類の作物を異なる時期に作ること
【保存のコツ】
湿気の少ない、涼しくて乾燥した場所に密閉して保存するとよいでしょう。
【主な栄養素】(栄養素は100グラム中含有量)
炭水化物 74.8グラム
たんぱく質 9.0グラム
小麦が食卓に届くまで
熊谷宿周辺では、江戸時代から栽培されている小麦。熊谷自慢の良質な小麦は、どのように栽培されているのでしょうか。
~播種 ~
熊谷市では米と麦の二毛作が行われているため、稲刈り終了後の11月に種まきが始まります。
~麦踏 み~
一冬に数回、ローラーを付けたトラクターで麦の芽を鎮圧します。根張りをよくしたり、過度な生育を抑えることで、分げつ(根元から出る新しい茎)を促す効果があります。
~追肥 ~
収量を上げるために、肥料を追加して分げつや幼穂の生長を促し、実の充実を図ります。
ところで、
皆さんは小麦の花をご存知ですか?
実は、小麦は4月から5月頃に、とても小さな白い花を咲かせます。
目をよく凝らして観察してみてください。
~収穫~
6月になると、緑色だった穂もすっかり黄金色になり、一斉に収穫が始まります。この季節を「
~調整~
刈り取られた小麦は、茎から実だけをはずす「
~食卓へ~
そして小麦粉は、うどんやフライ、炭酸まんじゅうなど様々な料理、加工品となって皆さんの食卓に並びます。皆さんも、熊谷の良質な小麦粉で料理をしてみてはいかがですか。
参考:ここで買えます!熊谷の農産物
小麦生産技術を確立 ~麦王 権田愛三~
権田愛三(1850年~1928年)
ところで、なぜ熊谷で小麦の生産が盛んになったのでしょうか。その裏には、
権田愛三は江戸時代の
根張りをよくするために早春に麦の芽を踏む「麦踏み」や、熊谷の雪の少ない気候を利用して米の収穫が終わった冬の間に麦の生産をする「二毛作」を行ったのです。
こうした技術改良の結果、明治29年には当時の収穫量を4倍~5倍にあげることに成功し、その成果を地域の農家に伝授しました。明治41年にはこれまで研究してきた麦作生産技術を当時の農商務省に上申しました。すると、全国から依頼が舞い込み、各地に講演や技術指導に赴くほか、年間300人以上の研修生を自宅に宿泊させて実地指導を行いました。
このような愛三の貢献に、国は緑綬褒章、大礼記念章を授与しました。そして、こうした実績を称え「
小麦と大麦
熊谷では小麦だけでなく、二条大麦、六条大麦も生産されています。小麦と大麦はよく似ていますが、皆さんは違いがわかりますか?小さい麦が小麦、大きい麦が大麦ではありませんよ。穂の大きさは変わりませんが、穂の形状や使用用途が異なります。
○小麦
うどんや、パン、菓子など様々な加工品に使用されています。3つの実が交互になります。
小麦の穂
○二条大麦
主にビールや焼酎の原料となるので、ビール麦とも呼ばれます。6列(条)ある穂のうち2列(条)のみに実がなります。
二条大麦の穂
○六条大麦
主に麦茶、押し麦の原料となります。6列(条)ある穂の全てに実がなります。
六条大麦の穂