腸管出血性大腸菌感染症に注意しましょう
更新日:2025年4月28日
◎腸管出血性大腸菌による食中毒が発生しています。
◎下痢や腹痛等、体調が悪いかたは医療機関を受診してください。その際は、食事の内容などを医師にお伝えください。
◎腸管出血性大腸菌は75度で1分間以上の加熱で死滅しますので、よく加熱して食べましょう。
腸管出血性大腸菌感染症とは
腸管出血性大腸菌感染症は、O157をはじめとするベロ毒素産生性の腸管出血性大腸菌(EHEC)で汚染された食物等を経口摂取することによっておこる感染症です。
主な症状
腸管出血性大腸菌の感染では、全く症状がないものから軽い腹痛や下痢のみで終わるもの、さらには頻回の水様便、激しい腹痛、著しい血便とともに重篤な合併症を起こし、時には死に至るものまで様々です。
しかし、多くの場合(感染の機会のあった者の約半数)は、おおよそ3から8日の潜伏期をおいて頻回の水様便で発病します。さらに激しい腹痛を伴い、まもなく著しい血便となることがありますが、これが出血性大腸炎です。発熱はあっても、多くは一過性です。
有症者の6から7パーセントの人が、下痢等の初発症状の数日から2週間以内(多くは5から7日後)に溶血性尿毒症症侯群(HUS)や脳症等の重症合併症を発症するといわれています。
激しい腹痛と血便がある場合には、特に注意が必要です。
予防法
腸管出血性大腸菌の予防のポイントは食品の衛生的取扱いです。そのため、次の家庭でできる食中毒予防の6つのポイントを確実に実行し、腸管出血性大腸菌の感染を予防しましょう。
家庭でできる食中毒予防の6つのポイント -家庭で行うHACCP(ハサップ:宇宙食から生まれた衛生管理)-
食中毒というと、レストランや旅館等の飲食店での食事が原因と思われがちですが、毎日食べている家庭の食事でも発生しており、発生する危険性がたくさん潜んでいます。ただ、家庭での発生では、発症する人が1人や2人のことが多く、また症状が軽かったり、風邪や寝冷え等と思われがちで、食中毒とは気づかずに重症になったり、死亡する例もあります。あなたの食事作りをチェックしてみましょう!
ポイント1 食品の購入
■ 肉、魚、野菜等の生鮮食品は新鮮な物を購入しましょう。
■ 表示のある食品は、消費期限等を確認し、購入しましょう。
■ 購入した食品は、肉汁や魚等の水分がもれないようにビニール袋などにそれぞれ分けて包み、持ち帰りましょう。
■ 特に、生鮮食品等のように冷蔵や冷凍等の温度管理の必要な食品の購入は、買い物の最後にし、購入したら早めに帰るようにしましょう。
ポイント2 家庭での保存
■ 冷蔵や冷凍の必要な食品は、持ち帰ったら、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。
■ 冷蔵庫や冷凍庫の詰めすぎに注意しましょう。
■ 冷蔵庫は10度以下、冷凍庫は-15度以下に維持することが目安です。
■ 肉や魚等は、ビニール袋や容器に入れ、冷蔵庫の中の他の食品に肉汁等がかからないようにしましょう。
■ 肉、魚、卵等を取り扱う時は、取り扱う前と後に必ず手を洗いましょう。簡単なことですが、細菌汚染を防ぐ良い方法です。
■ 食品を流し台の下に保存する場合は、水漏れ等に注意しましょう。
ポイント3 下準備
■ 台所を見渡してみましょう。ゴミは捨ててありますか?フキンなどは清潔ですか?調理台の上は片付いていますか?もう一度チェックしてみてください。
■ 井戸水を使用している家庭では、水質に十分注意してください。
■ 生の肉、魚、卵を取り扱った後には、手を洗いましょう。途中でペット等動物に触ったり、トイレに行ったり、おむつを交換したり、鼻をかんだりした後の手洗いも大切です。
■ 生の肉や魚を切った後はすぐに包丁、まな板などを洗いましょう。熱湯をかけることが有効です。
■ ラップしてある野菜やカット野菜もよく洗いましょう。
■ 冷凍食品等凍結している食品を調理台に放置したまま解凍するのはやめましょう。室温で解凍すると、食中毒菌が増える場合があります。解凍は冷蔵庫の中や電子レンジで行うとよいでしょう。また、水を使って解凍する場合には、気密性の容器に入れ、流水を使います。
■冷凍してあった食品を解凍する際には、電子レンジなどを利用し、室温で放置するのはやめましょう。また、冷凍と解凍を繰り返すのは危険です。解凍するときは必要な分だけにしましょう。
ポイント4 調理
■ 調理を始める前にもう一度、台所を見渡してみましょう。下準備で台所がよごれていませんか?タオルやふきんは乾いて清潔なものと交換しましょう。そして、手を洗いましょう。
■ 加熱して調理する食品は十分に加熱しましょう。
■料理を途中でやめて、そのまま室温で放置してはいけません。途中でやめるようなときは冷蔵庫に入れ、再び調理するときに十分加熱しましょう。
ポイント5 食事
■ 食事の前には手を洗いましょう。
■ 清潔な手で、清潔な器具を使い、清潔な食器に盛りつけましょう。
■ 調理前の食品や調理後の食品は、室温に長く放置してはいけません。 例えば、O157は室温でも15から20分で2倍に増えます。
ポイント6 残った食品
■ 残った食品を扱う前にも手を洗いましょう。残った食品はきれいな器具、皿を使って保存しましょう。
■残った食品は早く冷えるように浅い容器に小分けして保存しましょう。
■ 残った食品を温め直す時も十分に加熱しましょう。めやすは75度以上です。味噌汁やスープ等は沸騰するまで加熱しましょう。
■ ちょっとでも怪しいと思ったら、食べずに捨てましょう。口に入れるのは、やめましょう。
食中毒予防の三原則は、食中毒菌を「付けない、増やさない、やっつける」です。
「6つのポイント」はこの三原則からなっています。
これらのポイントをきちんと行い、家庭から食中毒をなくしましょう。
食中毒は簡単な予防方法をきちんと守れば予防できます。
対応
下痢や腹痛がありましたら、早めに医療機関を受診しましょう。
特に、乳幼児、高齢者など抵抗力の弱いかたは、重症化する可能性があります。早めに受診しましょう。
身近に感染者が出た場合は、おう吐物・便の処理の際、マスク・ゴム手袋を着用し、処理後は手洗いを十分にしましょう。
関連リンク
食の安全・安心に関するパンフレット類(埼玉県)(外部サイト)
