A群溶血性レンサ球菌咽頭炎について
更新日:2023年12月22日
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは?
血清型がA群のレンサ球菌による上気道感染症です。
症状がある人からの分泌物が、鼻やのどの粘膜へ接触することで感染し(飛沫感染、接触感染)、2から5日の潜伏期間の後、発症します。
レンサ球菌は、細菌性急性咽頭炎の最も一般的な原因菌で、学童期の小児に多く見られます。
子どもの咽頭炎の20から30パーセント、大人の咽頭炎の5から15パーセント程度を占め、小児科だけの報告でも、日本国内で毎年25万人の感染の報告があります。
1年を通して流行がみられますが、春先から初夏が比較的多い時期です。
どんな症状?
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は、咽頭(のど)に炎症が起こるため、のどが痛くなります。
典型的には、2から5日の潜伏期間の後、突然38℃以上の発熱、のどの痛み、苺状の舌などの症状が現れます。熱は3から5日で下がり、1週間以内に症状は改善します。
まれに重症化し、のどや舌、全身に発赤が広がる「猩紅熱(しょうこうねつ)」に移行することがあります。また、リウマチ熱や腎炎の原因となる場合もあります。
同じ細菌を原因とするものとして、劇症型溶血性レンサ球菌感染症があります。
発熱や体調不良の時には
- A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は、適切な抗菌薬治療を開始すれば24時間以内に感染力はなくなるとされています。早めに医療機関を受診し、早い回復につなげましょう。
- 安静にして休養をとりましょう。特に、睡眠を十分にとることが大切です。
- 水分を十分に補給しましょう。
- 同居人のいる方は、家庭内でもマスクをするようにしましょう。
予防方法について(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎を広げないために)
- 外出後の手洗いやアルコール消毒等
細菌が付着した手で口や鼻に触れることで感染が広がるため、流水や石けんによる手洗いが有効です。また、アルコールによる消毒も効果的です。
むやみに目や口に触れたり、こすったりしないようにしましょう。
- 普段からの咳エチケットの励行
咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる細菌を吸い込むことでも感染が広がるため、飛沫を浴びないようにすることでも感染する機会を減らすことができます。
そのため、普段から咳エチケットに努めましょう。
厚生労働省ホームページ「咳エチケット」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187997.html(外部サイト)
- かかった人との密接な接触を避ける
家族や周囲の人がかかってしまったときは、密接な接触を避けるようにしましょう。
- 十分な休養とバランスの良い食事
体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスの良い食事を日ごろから心掛けましょう。
参考
1 感染症発生動向調査について
都道府県および保健所設置市が定点医療機関(モニター)から感染症患者の受診状況について毎週報告を受け、流行状況を把握するものです。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎については、埼玉県、さいたま市、川越市、越谷市及び川口市が、埼玉県医師会の協力を得て、164の小児科定点医療機関を指定しています。
2 その他参考情報
埼玉県感染症情報センターホームページ「定点把握対象疾患の動向」
https://www.pref.saitama.lg.jp/b0714/surveillance/ryuukou.html(外部サイト)
埼玉県感染症情報センターホームページ「感染症の基礎知識」
https://www.pref.saitama.lg.jp/b0714/surveillance/srv-kiso.html(外部サイト)
厚生労働省ホームページ「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-17.html(外部サイト)
政府インターネットテレビ「正しい手洗いの仕方」
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg20343.html(外部サイト)