ジカウイルス感染症(ジカ熱)について
更新日:2018年8月30日
ジカウイルス感染症(ジカ熱)とは
ジカウイルス感染症(ジカ熱)はウイルスを保有した蚊に刺され、ジカウイルスに感染することによって発症します。ヤブカ属のネッタイシマカ、ヒトスジシマカが媒介蚊として確認されています。
基本的に、ヒトからヒトに直接感染するような病気ではありませんが、輸血や性行為による感染が、稀なケースとして指摘されています。また、感染しても全員が発症するわけではなく、症状がないか、症状が軽いため気付かないこともあります。
ジカウイルス感染症の症状
主として、軽度の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、斑丘疹、結膜炎、疲労感、倦怠感などの症状があります。これらの症状は通常、2~7日続きます。症状自体は軽度ですが、ジカウイルス感染症の流行地域で小頭症の新生児が増加していることが報告されており、新生児の小頭症とジカウイルスとの関連性が示唆されています。
ジカウイルス感染症が発生している地域
アフリカ、中南米、アジア太平洋地域で発生の報告があります、特に、近年は中南米等で流行しています。また、アメリカフロリダ州の一部、アメリカテキサス州の一部でも流行しています。
注意すべきこと
国立感染症研究所では、ジカウイルス感染症と小頭症との関連性について、詳細な調査結果が得られるまで、可能な限り妊婦の流行地への渡航は控えた方が良いと指摘しています。
また、米国疾病対策予防センターでも、妊娠中のジカウイルス感染症の感染に関してより詳細な調査結果が得られるまでは、流行国地域への妊婦の渡航を控えるよう警告を出しています。
やむを得ず流行国地域に渡航する場合には、妊婦の人も含め、蚊の防除対策をしっかりと講じてください。
防除対策としては、長袖、長ズボンの着用が推奨されます。また、蚊の忌避剤なども現地では利用されています。
また、現在、性行為によって感染するのかについては十分な知見は得られていませんが、流行国地域から帰国した男性で妊娠中のパートナーがいる場合は、パートナーの妊娠中は症状の有無に関わらず、性行為の際にコンドームを使用することを推奨します。
献血については、日本赤十字社では海外から帰国(入国)後4週間以内の献血者からは採血をしないこととしていますので、該当する方は献血を避けてください。