地震による電気火災対策には「感震ブレーカー」が効果的です
更新日:2019年3月1日
大規模地震で発生した火災のうち、電気に起因する火災が「過半数」
東日本大震災における火災の発生原因
過去の大規模地震(阪神・淡路大震災、東日本大震災)で発生した火災のうち、電気に起因する火災は「過半数」を占めています。
特に、地震の発生によって停電した後、避難などでの不在時に電気が復旧して出火し、初期消火ができないことによる「復電火災」、「通電火災」というケースが挙げられます。
普段の生活で使用している電気は、建物の各部屋に配線してある電線を通して、流れていますが、配線の途中には、電気を遮断するための「ブレーカー」と呼ばれる装置が設置されています。
感震ブレーカーとは
「感震ブレーカー」とは、大規模地震が発生した際に起こる電気火災を防ぐため、地震の揺れをセンサーが感知し、あらかじめ設定しておいた震度以上の場合に自動的に通電を遮断する器具のことです。
感震ブレーカーを設置することにより、地震の揺れに伴う電気機器からの出火や、停電が復旧した時に発生する通電火災を防ぐのに有効となります。
主な感震ブレーカーの種類
分電盤タイプ(内蔵型)
費用:約5万円から8万円(標準的なもの)
注意:電気工事が必要です。
分電盤に内蔵されたセンサーが揺れを感知し、ブレーカーを切って電気を遮断します。
分電盤タイプ(後付け型)
費用:約2万円(標準的なもの)
注意:電気工事が必要です。漏電ブレーカーが設置されている場合に設置可能です。
分電盤に感震機能を外付けするタイプで、センサーが揺れを感知し、ブレーカーを切って電気を遮断します。
(左:埋込み型)(中・右:タップ型)
コンセントタイプ
費用:約5千円から2万円程度
コンセントに内蔵されたセンサーが揺れを感知し、コンセントから電気を遮断します。
埋込み型:壁面などに取り付けて使うものです。電気工事が必要です。
タップ型:既存のコンセントに差し込んで使うものです。電気工事が不要です。
(左:おもり玉式)(右:ばね式)
簡易タイプ
費用:約2千円から5千円程度
注意:電気工事が不要です。
ばねの作動や重りの落下などによりブレーカーを切って電気を遮断します。
ホームセンターや家電量販店で購入可能です。
感震ブレーカー設置の留意点
- 生命の維持に直結するような医療用機器を設置している場合、停電に対処できるバッテリー等を備えてください。
- 夜間の照明確保のために、停電時に作動する足元灯や懐中電灯などの照明器具を常備しましょう。感震ブレーカーの設置に関わらず、地震時やその他の自然災害時にも大規模な停電が発生するおそれがあることから、平時から停電対策に取り組みましょう。
耐震対策等と合わせて取り組むと、さらに効果的!
- 避難路の確保等のために、建物の耐震化や家具の転倒防止等に取り組みましょう。
- 復電する場合には、事前にガス漏れ等がないことの確認や、電気製品の安全の確認を行ってください。
- 仮に、復電後、焦げたような臭いを感じた場合には、直ちにブレーカーを遮断し、再度、安全確認を行い、原因が分からない場合には電気の使用を見合わせることが必要です。
- 定期的な作動性能の確認や、必要に応じて部品等の交換を行いましょう。