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治る高血圧です

更新日:2022年11月1日

 高血圧と聞くと、皆さんは何を思い浮かべますか。

 「血圧が高いと心配」、「脳出血になったらどうしよう」と思う方もいらっしゃるでしょう。逆に「ちょっとくらい血圧が高い方が元気で良い」、「高いと言われたけど気にしていない」とお考えの方もいるかもしれません。
 陸上で活動する動物にとって、血圧を保つことは生命維持に大事なことです。中でも二足歩行の人間は、一番高いところに脳があります。その脳に血液を送り続けるため、人間の体は「血圧が下がらないように」工夫されています。それは進化の結果でもあります。

 もともと血圧が下がらないように工夫されている。これこそ、90パーセントの高血圧が本態性高血圧である(他の病気のせいで血圧が高いわけではない)最大の理由です。「だったら、高血圧は治らないじゃないか!」。残念ながら、そのとおりです。90パーセントの高血圧は治りません。病気予防のために血圧を下げ続けなければいけません。「治療継続は健康力なり」で、きちんと血圧を下げてください。

 ただし、もしこの血圧が下がらないようにするための体の仕組みが過剰に働いたらどうでしょうか。必要以上に血圧が高く維持されてしまいます。「治る高血圧」とは、「血圧が高くなってしまう病気を治せば、血圧が下がって正常になる」ということです。医師はこの10パーセントの「治る高血圧」を見逃さないように心掛けています。若いのに血圧が高い方や初診で外来血圧が160水銀柱ミリメートル以上の方、今まで高くなかったのに急に血圧が上がった方は、「治る高血圧」かもしれません。

 「治る高血圧」の治し方は、まずは医師に高血圧をご相談ください。医師は、手始めに血液検査や腎エコーなどを実施します。異常があれば、高次医療機関の内分泌内科や腎臓内科へ紹介します。そこでは、更に精密検査が行われ、診断に至ります。診断された病気ごとに治療するほか、手術することもあります。その診断された病気が治ると、血圧が下がって治ります。(診断された病気が治せるものではなく、治療継続が必要になるものもあります)

熊谷市医師会 関 秀格(せき ひでのり)

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