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難聴について

更新日:2022年7月1日

 耳鼻咽喉科的には難聴は大きく分けると、伝音性難聴と感音性難聴の2種類に分類されます。今回はこれらに関する病気に関して述べたいと思います。

(1)伝音性難聴

 これは、外耳・中耳に問題が起こって生じる難聴です。代表的な病気としては、以下のものがあります。

(A)外耳炎・外耳道湿疹(がいじどうしっしん):これらは、原因としては耳掃除のやりすぎや、今はコロナ禍の影響もあり、イヤホンの刺激で生じるケースもあります。治療としては、軟膏(なんこう)を塗布したり、炎症の強い場合は抗生剤・点耳薬を使用するケースもあります。

(B)耳垢栓塞(じこうせんそく):外来で鉗子(かんし)を使用して除去しますが、あまりに固い場合は耳垢水(じこうすい)と呼ばれる点耳薬を用いて柔らかくしてから除去します。

(C)中耳炎:外来受診が多く、風邪に続いて生じる急性中耳炎、小児に多い滲出(しんしゅつ)性中耳炎が代表的です。どちらも抗生剤を内服しますが、急性中耳炎は痛みを伴う場合もあるので、必要があれば痛み止めを処方します。鼓膜内部に膿(うみ)や滲出液が認められる場合は鼓膜切開を行い排出するケースもあります。さらには鼓膜に穴が開いている慢性中耳炎等もあり、これに関しては鼓膜を作り直す手術が必要なケースもあります。

(2)感音性難聴

 これは、主に内耳に障害が起こることで生じる難聴です。代表的な病気としては、以下のものがあります。

(A)メニエール病、突発性難聴:内耳の病気の代表的なものです。基本的にはめまい、耳鳴り、難聴が主症状ですが、めまいに関してはメニエール病のほうが多くみられます。原因としては、メニエール病は内リンパ水腫(内耳の中にリンパ液が溜(た)まる状態)と言われています。突発性難聴は明らかな原因はありませんが、疲れやストレス等で起こりやすいと言われています。両方とも基本的にはステロイド薬での治療になります。

(B)その他:それ以外にも、生まれながらに聞こえない先天性難聴、騒音下での仕事による慢性的な騒音性難聴、ウイルス性難聴(代表的なのはおたふくかぜによるムンプス難聴)、薬による薬剤性難聴、加齢による難聴等があります。

 気になることがあれば、耳鼻咽喉科に相談してください。

熊谷市医師会 荻野 智(おぎの さとる)

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