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あなたのむし歯は何色ですか?

更新日:2022年10月1日

 むし歯(うしょく)の色には、白色・褐色・黒色などがあります。なぜ、むし歯に色が付くのでしょうか?
 むし歯の第1段階はショ糖(砂糖)、ぶどう糖、果糖などの炭水化物をむし歯菌が代謝して酸を作り出し、その酸で歯が溶ける(脱灰だっかい)現象です。その後、溶けた歯のカルシウム成分は歯の周囲の環境(唾液があること)が良ければ、再沈着して修復(再石灰化)されます。このときに、周囲にある色素を取り込んで着色すると考えられます。色素として有力なものは、嫌気性黒色色素産生菌の仲間(むし歯菌ではなく、歯周病菌や歯根の化膿かのう菌など)が血液から作り出すヘマチンです。このヘマチンの量により、茶褐色~黒色に見えるのです。
 さて、むし歯には「慢性う蝕」と「急性う蝕」があります。
 慢性なものは、甘いものを食べる間食の時間、頻度が段々と増えてきたときに、脱灰と再石灰化を繰り返しながらも、脱灰が再石灰化を上回りむし歯がゆっくりと進行してゆくものです。これは比較的硬いむし歯でヘマチンが沈着することで黒褐色に着色します。またこのヘマチンはむし歯菌を抑制することからむし歯の進行がさらにゆっくりとなります。
 これに対して、急性なものは甘いものを食べる間食がひっきりなしになった場合、脱灰したまま再石灰化をする暇がなく急速にむし歯が進行するものです。これは柔らかいむし歯であり、着色は薄く白色~黄白色です。
 「慢性う蝕」は色が黒く目立つので、存在がはっきりと認識できます。これに対して「急性う蝕」は色が白く、できたのが分からないまま、短期間(1か月くらい)で穴状に進行してしまうので、注意が必要です。
 甘いものを食べる間食の多いかたは、その頻度や時間を減らすように心掛けてください。また、定期的な歯の検診をぜひお勧めします。

熊谷市歯科医師会 町田 俊夫(まちだ としお)

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