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歯を抜いた!そのままにしていて大丈夫?

更新日:2023年2月1日


 歯が抜けたり、歯科医院でやむなく抜歯してしまった部分をどう治すかについてお話しします。

 そもそも歯がなくなってしまったらそのままにしてよいのでしょうか。例えば、前歯を抜いてしまったら、見た目が困り、しゃべるときに息が抜けてしゃべりづらくなり、食べ物を噛み切ることができません。このように生活や健康に必要な場合は、治療を行うことになります。

 それでは、中間の歯がなくなったとしましょう。食べるのもしゃべるのもそんなに困りません。ただし、中間の抜けた歯をそのままにしておくと、人間の歯はそのスペースを塞ぐように周りの歯が倒れて動いてきます。そうすると、歯並びが崩れて噛み合わせが乱れ、汚れがたまりやすく磨きにくくなり、周りの残った歯がむし歯や歯周病になってしまうのです。人によっては乱れてしまった歯並びのせいで噛み合わせが不適切になり、それが原因で顎関節症や偏頭痛、肩こりなどの全身的な症状が発現してしまう方もいます。

 「1本くらい大丈夫かな」と油断して長年過ごしてしまうと、気付いた時には周りの歯を失ったり、抜いた当初ならできた治療が周りの歯が動いてしまうことによりできなくなってしまうこともあるので、治せる時にきちんと治しておくことが大事です。

 一般的に歯が抜けた時の治療の選択肢は3つあります。1つ目は入れ歯、2つ目が被せ物(ブリッジ)、3つ目がインプラントです。それぞれ利点と欠点があるので、どの治療が一番良いかは、治療の期間や費用、周りの歯の状況など、何を重視するかによって変わってきます。また第4の選択肢として歯の移植があります。ご自身の使っていない親知らずなどを抜いて、抜歯になってしまった部分に植え替える治療です。これは自分の歯が利用できることが利点ですが、使っていないちょうどいい歯があるかどうかや、それが物理的に植えられるかどうかによって適応が変わります。

 このように1本の歯を失ってしまった後の治療は、様々な方法があります。ご自身に合ったものを選択し、その後はできるだけ失うことのないよう予防しましょう。

熊谷市歯科医師会 荒岡 大輔(あらおか だいすけ)

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