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副腎が関与する比較的若い人の高血圧疾患

更新日:2022年9月1日


副腎とは、腎臓の上にある3センチメートル位のおむすび型の黄色っぽい小さな臓器で、たくさんのホルモンを分泌し、全身の健康に関与しています。今回はその機能の中でも血圧に焦点を当て、お話したいと思います。

高血圧と聞くと高齢者や動脈硬化の進行した人の病気と思われがちですが、副腎が分泌するホルモンの異常で20~30歳代の若い人でもかかる病気があります。

(1)クッシング症候群:コルチゾールホルモンの過剰産生の病気。高血圧(140~160水銀柱ミリメートル)や、顔が満月のように丸くなったり、中心性肥満、皮膚が薄くなったりします。

(2)褐色細胞腫・パラガングリオーマ:カテコールアミンというホルモンの過剰産生の病気。高血圧(200~280水銀柱ミリメートルまで上昇することも多い)、動悸(どうき)、頭痛、発汗過多、体重減少の症状が出ます。

(3)原発性アルドステロン症:アルドステロンホルモンの過剰産生の病気。高血圧(160~200水銀柱ミリメートル)になります。この病気は比較的若い女性に多く見られます。20~30歳代の女性で、健診で高血圧を指摘されたり、妊娠中に妊娠高血圧と診断され出産しても高血圧が改善しなかったりします。

対応としては、まず降圧剤内服開始と同時に採血で副腎のホルモン検査を行い、異常値が認められたら、降圧剤を内服し血圧を安定させてから、大学病院などに紹介し、精密検査と内視鏡手術をすることになります。
このように、あまり知られていない病気もあることを覚えておくと良いと思います。若い方でも、高血圧その他の症状が現れたときは、放っておかないで医療機関に受診して相談すると良いと思います。

熊谷市医師会 中島 登(なかじま のぼる)

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