このページの先頭です

薬の正しい飲み方

更新日:2022年8月1日

 馴染みがある薬と言ったら飲み薬(内用薬)の錠剤かと思います。なぜ一番使われているかと言うと、飲みやすさや保存・持ち運びのしやすさがあるからです。成分の苦みを抑える糖衣だったり、薬によっては2層になっていたりと構造上の工夫がされていることもあります。つまり一般の錠剤では潰したりんだりして服用すると飲みづらくなったり、効果に影響が出たりする場合があります。飲み薬の成分は食べ物と一緒で、普通は小腸から吸収され血流に乗って体中を巡るため、体の末端の足の指のけがの痛みにも鎮痛剤は効果があります。

 薬の効果を考える上で一番重要なのが「血中濃度」と言う考え方です。薬を飲むと成分が吸収され血液中の濃度が上がっていきます。そのうち成分は主に肝臓で分解(代謝)、または尿や便で排泄され、血中濃度は低くなっていきます。例えば、朝起きたら頭が痛かったので1回1錠、1日3回の薬を朝1錠飲んだとします。間もなく血中濃度が上がり効果の現れる至適の濃度になり頭の痛みが治まります。朝、昼、夕と1錠ずつきちんと飲んだので一日中効いていました。後日、同じように朝頭が痛くなり1錠飲みましたが用事で外出したので昼の分を飲み忘れてしまい、頭がまた痛くなりました。夕方頭痛がひどくなり、よく効くと思い2錠飲んでしまったら胃が痛くなってしまいました。(血中濃度が危険な範囲に上がった)

 また、一部の血圧薬はグレープフルーツジュースで飲むと血圧が下がり過ぎたり、薬によっては牛乳で飲むと効果が弱くなったり、服用する飲物が少ないと喉に張り付いてその場で溶けて食道を荒らすこともあります。

 以上のことから薬の飲み方の基本は、そのままで、用法(いつ何回)用量(1回量)を守り、コップ1杯の水またはぬるま湯で飲むことが一番正しいのです。間違った飲み方だと効果が十分現れなかったり、副作用が起きる可能性が高くなったりします。決められた飲み方が効果を最大限発揮させますので、飲み方について疑問があるときはそのままにせず、個々の薬によっても条件が変わりますので、ぜひ薬剤師にご相談ください。

熊谷薬剤師会 牛島 裕陽(うしじま ひろあき)

このページについてのお問合せは

健康づくり課
電話:048-528-0601(直通) ファクス:048-528-0603

この担当課にメールを送る

本文ここまで