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Shared Dicision Making

更新日:2024年1月1日

(シェアード・ディシジョン・メイキング:共同意思決定)

 私たちの生活は意思決定の連続です。洋服・食事・移動手段など日常のささいな選択であれば直感で時間はかからずに決めることができますが、これが、命に関わる重大な病気だったらどうでしょうか?そんな時に知っておきたいのがShared Dicision Making(シェアード・ディシジョン・メイキング:共同意思決定、以下SDMと略)です。SDMは「医療者と患者が医療やケアについて協働で意思決定するプロセス」と定義され、対話を通じて情報・目標・責任(役割)を共有し、信頼関係を築くことがポイントです。「(腹に)お・ち・た・か」という4つのキーワードで覚えておくと便利です。


 オプション 選べる選択肢が全てそろっているか確認する

 長所 各選択肢の長所を知る

 短所 各選択肢の短所を知る

 価値観 各選択肢の長所と短所を比較して優先順位をつけ、自分にとって何が重要かを明確にする

(注)「聖路加国際大学大学院教授 ヘルスリテラシー健康を決める力」より抜粋

解説動画: 外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。https://www.youtube.com/watch?v=lt3ANLpHFlA(外部サイト)

 SDMの実践により患者満足度が上がることが研究でわかっており、医療者も患者さんも確実な答えがわからない状況、例えば、ある病気に対して手術・薬物療法・放射線療法など複数の選択肢がある場合などで特に有効です。しかし、SDMは従来の医療者主導の意思決定と比べて、時間がかかる・情報過多になる・ときに意見の不一致が起こることがあり、また、患者さんの心理状態によっては大きな負担を強いる場合もあるため、慎重に進めることが大切です。


 SDMでは、「治療しない」「選択しない」など医療者・患者さん共に想定しない結論になることがあります。しかし、双方が納得できて目指す目標が定まっていれば問題ありません。そのため、より自分らしい選択をするためにも「仕事と両立したい」「苦痛は避けたい」など普段から大切にすること(価値観)をよく考えて、できれば家族など信頼できる人と共有しておくと良いです。また、すぐに意思決定できない時や判断に迷う時は医師だけでなく、看護師や薬剤師・ケアマネジャーなどのサポートも活用し、時間をかけて様々な視点で検討することも有効です。


 病気になっても豊かで自分らしく幸せな人生を過ごせるようSDMを上手に活用してみてください。


熊谷市医師会 大塚 貴博(おおつか たかひろ)

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