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お口の中の怖い病気

更新日:2023年10月5日

 お口は唾液を出したり、食べ物を噛んで飲み込んだり、味を味わったり、会話をしたりさまざまな機能があります。そんなお口の中にも癌(がん)ができます。舌にできる「舌がん」、歯茎にできる「歯肉がん」、その他にも頬や唇などお口の中の色々な部位に癌ができます。それらを口腔(こうくう)がんと言います。
 
 口腔がんは、体のほかの部位にできる癌と比べると発生頻度は少ないですが、以前より発症率や死亡率は増加しています。日本人のお口の中にできる癌で最も多いのは舌がんで、口腔がんの半分以上を占めています。
 
 男女比では女性よりも男性のかたが多く、年齢は60歳以上のかたに多く発症しています。原因ははっきりしない点もありますが、主に喫煙や飲酒、お口の中が不衛生だったり、乾燥していたりと様々な刺激により発症するとされています。その中でも一番は喫煙で非喫煙者と比べて発症率は5倍以上とされています。次いで飲酒で飲まない人と比べて発症率は3倍とされています。当然ながら双方が足し合わさると発症リスクはさらに高くなります。

 それ以外にも歯周病や虫歯の放置、合わない義歯による刺激などによっても口腔がんが発生しやすくなります。そうした状況を放置すると粘膜が赤くなったり白く変色したり、形が変わったり、硬いしこりや腫れができたりしますが、異常に気が付いても症状がほとんど無いために放置してしまう場合があります。しかし、二週間ほど経(た)っても改善しない場合は注意が必要です。徐々に患部が大きくなると、お口を動かしたりすると痛みを発するようになり、口が開かなくなって嚥下(えんげ)障害や会話も困難になってきます。さらに、あごの下や首の周りのリンパ節が腫れるなどさまざまな症状が現れてきます。上記のような症状があった場合はすぐにかかりつけの歯科医を受診しましょう。
 口の中の癌は、体の中にできる癌と違い直に見ることができるので歯科医で発見することができます。定期的にかかりつけの歯科医を受診して検診してもらうのが口腔がんの早期発見につながります。

 熊谷市歯科医師会  石井 洋幸(いしい ひろゆき)

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