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緑内障

更新日:2023年7月4日

 緑内障は日本人の40歳以上の20人に1人がかかるとも言われる、失明原因1位の病気です。緑内障では何らかの原因で視神経が障害を受け、徐々に視野が欠けていきます。痛みなどの自覚症状がないので、気付かずに進行し、高度の視野狭窄や視力低下に至ります。一度視神経が障害されると元に戻すことができないため、早期発見し眼圧を管理していくことが重要です。

緑内障

 目は球形を保つため房水(ぼうすい)という液体が循環して眼圧を調整しています。
緑内障になる要因の1つとして、この房水の排出に異常が生じ、眼圧が高くなり視神経が障害されることが挙げられます。
 緑内障は房水の排出口のある隅角(ぐうかく)の広さで分類され、隅角の広いタイプを開放隅角緑内障、隅角の狭いタイプを閉塞隅角緑内障と言います。
開放隅角緑内障は房水の排出口の網目(フィルター)である線維柱帯(せんいちゅうたい)が目詰まりを起こし眼圧が上昇するタイプです。
眼圧が正常である「正常眼圧緑内障」も開放隅角緑内障の一部で日本人に多いと言われています。

 
 一方、閉塞隅角緑内障は隅角が狭いか閉じてしまって房水がうまく排出できず眼圧が上がるタイプです。
急激に眼圧が上がり、眼痛、頭痛、吐き気、嘔吐を起こすことを急性緑内障発作といいます。
隅角が狭いと言われた人は瞳孔が広がると隅角が閉塞し緑内障発作を誘発することがあるため注意が必要です。
そのため散瞳(さんどう)作用のある薬剤(内服薬や内視鏡などで使用する薬剤)や暗い場所での読み書きなどは控える必要があります。
治療はレーザー治療や白内障手術を行います。白内障手術で厚い水晶体が取り除かれると隅角が広くなる効果があるため、早めに白内障手術をお勧めすることがあります。

緑内障イラスト


 現在の緑内障治療では一度欠けてしまった視野を元に戻すことはできません。
緑内障の治療の目的はこれ以上視野を失わないように管理することです。
現時点で最も確実な治療法は、例え眼圧が正常であっても、眼圧を下げることだと言われています。
そのため、緑内障の治療においては早期発見、早期治療開始がとても大切です。
 40歳を過ぎたら少なくとも年1回は視力、眼圧、眼底などの眼科健診を受けることをお勧めします。
 

熊谷市医師会  樋口 千恵(ひぐち ちえ)

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