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マスクの下は「お口ぽかん」

更新日:2023年6月1日

 突然ですが、今、マスクの下のお口は閉じていますか、それとも開いていますか?
 
 もし、お口が少しでも開いていたら、「お口ぽかん」です。実は、医学用語では「口唇閉鎖不全症」という病気の症状です。体を動かすためには、様々な筋肉が使われています。口や顔を動かす筋肉は、「食べること」、「おしゃべりすること」「息をすること」「顔の表情を作ること」などの多くの大切な動きに関わっています。もし、「お口ぽかん」で口の周りの筋肉が上手に使われないでいると、その働きができなくなる可能性があります。また、お口の中ではむし歯や歯肉炎、歯並びにも影響を与えかねません。他にも、インフルエンザウイルスやコロナウイルスは、口から侵入します。お口の環境の良し悪しが、ウイルスの気道粘膜から体内への侵入にも大きく影響します。歯周病菌は、コロナ感染症の重症化にも関係すると言われています。
 
 このように「お口ぽかん」は、口から離れた気管や肺にも悪い症状を引き起こす可能性もありますので、次の点をチェックしてみましょう。例えば、①唇がいつもカサカサしていて、よくなめたりリップクリームを塗ったりする、②口がよく乾く、③唇に締まりがなく、上唇と下唇の間から歯が見えて、歯の表面に色が付いている、④口を開けてクチャクチャ音を立てて食べる、⑤舌の表面が汚れていて口臭がある。いかがですか?
 
 このような状態があれば、日常的に「お口ぽかん」になっている傾向があると思われます。また、「お口ぽかん」は乳幼児の頃から始まっています。抱っこや授乳の仕方、離乳食のスプーンの使い方や与え方、姿勢なども関係しています。
今日から、マスクの下で鼻呼吸をするためにも、お口をしっかり閉じて、歯は食いしばらないようにして、舌は上顎にくっつけて鼻で息を吸ったり吐いたりしてみましょう。時々、マスクの下でも、お口の体操「イーウーイーウー」と唇を動かしたり、舌をお口の中で回したり、ほっぺを左右に空気で膨らませたりしてみましょう。
 うがいも、お口の筋肉を使っています。口の周りの筋肉を自然と鍛えることにより、そしゃくとえん下機能の強化にも役立ちますので、小さい頃から練習してできるようにしましょう。
 各時期、各年齢の健診の際には、ぜひ「お口ぽかん」も確認してください。歯科医院でのケアを受け、常に「健口」な状態を保ってください。日頃から歯に関心を持ち続けて、人生100歳越えで生活を楽しんでいただければと思います。

熊谷市歯科医師会 仁木 聖子 (にき せいこ)

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