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日本ヒューム株式会社 熊谷工場

更新日:2026年8月27日

日本ヒューム株式会社

 日本ヒューム株式会社は、日本で初めてヒューム管を製造した歴史ある企業であり、昨年10月に創立100周年を迎えました。下水道などに用いられる「ヒューム管」や、建物の基礎となる「コンクリートパイル(杭)」など、社会インフラを支えるコンクリート製品を製造しています。
 今回訪問した熊谷工場は、関東・東北地域への供給拠点にもなっており、熊谷市の公共工事でも製品が使用されています。また、新しい技術、製造技術を実際の工場で展開する役割も担っています。


敷地内には日本最古のヒューム管があります

ヒューム管ができるまで

 ヒューム管は鉄筋かごを配置した型枠にコンクリートを投入し、遠心力で締め固めて成形(締固め)します。「洗濯機で脱水をするイメージ」とご説明いただきました。「ヒューム管」という名前は約100年前にこの製法を開発したオーストラリア人のかたの名前に由来しています。


ヒューム管には、補強材として鉄筋かごを使用しています


遠心力でヒューム管を成形(締固め)しています

 製造時間はヒューム管の口径によって異なり、口径が大きくなるほど、製品が厚くなります。一番大きいものだと、コンクリートの投入と遠心力による脱水を3回繰り返して成形します。大きければ大きいほど製造に時間がかかるので、最大クラスの製品では、1日に製造できる本数は3本程度とのことでした。
 遠心成形したヒューム管は、蒸気養生など所定の養生工程を経て、必要な強度を確保した上で出荷します。


敷地内の製品置場にはたくさんのヒューム管が置かれています

低炭素化とインフラ長寿命化を両立する「e-CON(イーコン)®」

 日本ヒューム株式会社では、脱炭素と長寿命化の両立を目指して「e-CON®」を東京都下水道サービス株式会社と共同開発しました。「e-CON®」は一般的なセメントを使用せず、原材料の製造段階における二酸化炭素排出量を一般のコンクリートに比べ約80パーセント削減します。また、セメントに代わる材料の約90パーセントに産業副産物を活用しているほか、耐硫酸性は一般のコンクリートの10倍以上と、高い耐久性を有しています。このため、硫酸腐食が課題となる下水道施設や塩害が課題となる港湾、道路施設などへの適用が期待できます。
 e-CON®を通じてインフラを作る段階の二酸化炭素削減と、長く使うことによる更新回数の低減を同時に実現し、「社会インフラを100年守る」ことを目指しているとお話しいただきました。


低炭素型高機能コンクリート「e-CON®」

下水道施設内の腐食環境を把握する「HSモニター」

 日本ヒューム株式会社では、腐食リスクを可視化する「HSモニター」を太平洋セメント株式会社、NJS株式会社と共同で開発しています。HSモニターは下水道施設内に設置し、硫化水素に起因する腐食環境を継続的に捉えるセンサーで、モルタルを介してデータを取得することにより、平均濃度だけでは見つけにくい、腐食リスクの高い箇所を抽出し、点検・補修・更新の優先順位を判断するための材料として活用することを目指しています。
 また、熊谷市下水道課と協働で、硫化水素に起因する下水道施設内の腐食環境を把握する実証試験を市内の下水道施設で今年の9月から10月頃に予定しています。この実証試験では、硫化水素の発生が想定されるマンホールなどにHSモニターを設置するとともに、硫化水素濃度、温度、湿度などを併せて継続的に計測し、腐食環境の把握や要注意箇所の抽出に活用できるかを検証します。


HSモニターの設置イメージ

意見交換

 意見交換では、熊谷に工場を構えた経緯についてお話しいただきました。荒川沿いは原材料である砂・砂利が豊かで、コンクリート工場が数多くあったため、立地が良く、さらにその後、太平洋セメント株式会社の熊谷工場ができ、より良い環境になったとお話しいただきました。
 また、昨今、大きな課題となっている社会インフラの老朽化について、緊急時に備えての下水道のバイパス化、トータルコストを抑えるための製品の長寿命化、HSモニターによる腐食環境の把握など、様々な観点から意見交換を行いました。
 その中で、HSモニターについては、腐食環境データを蓄積・活用し、点検・補修・更新の優先順位を判断できる仕組みにつなげ、下水道維持管理の高度化を図ることで、「熊谷で得られた成果をいずれ全国に展開したい」という力強い言葉をいただきました。

おわりに

 井上克彦いのうえかつひこ専務取締役をはじめ、お忙しい中温かく迎え入れてくださった日本ヒューム株式会社の皆様、本当にありがとうございました。

このページについてのお問合せは

政策調査課
電話:048-524-1114(直通) ファクス:048-525-9222

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