日本メタルガスケット株式会社
更新日:2024年5月30日
日本メタルガスケット株式会社
マクラーレン本社訪問の様子を語る植田社長
日本メタルガスケット株式会社は、1980年に設立されたガスケットの開発・製造・販売会社で、エンジンに使われる金属製ガスケットを世界で初めて商品化した企業です。世界で活躍するスズキのスポーツバイクでの採用を皮切りに、多くの特許を取得した技術ノウハウが世界の企業に供与されるなど、海外でも高い評価を受けています。
ガスケットとは?
スポーツバイク用メタルガスケット
ガスケットとは、エンジンのつなぎ目において機密保持の役割を持つ重要な部品です。従来のゴムとアスベストなどの化合物で作られていましたが、金属化することでエンジンの高出力化と脱アスベスト化および排出ガスのクリーン化を可能にしました。
第1回「埼玉DX大賞」優秀賞受賞―DX推進によるビジネスモデルの転換―
第1回「埼玉DX大賞」優秀賞・クリスルトロフィー
今年1月には、埼玉県と埼玉県DX推進支援ネットワーク(国、県、市、経済団体、金融機関、支援機関の27団体から構成)が県内中小企業等の優れたDXへの取組を表彰する第1回「埼玉DX大賞」において、DX推進によるビジネスモデルの転換の取組が認められ『優秀賞』を獲得しました。
なぜDXに取り組んだのか?
生産品の主力が自動車からバイクや船外機に移り、大量生産から中少量生産にシフトする中で、コスト上昇を招き収益性が悪化したことや、たまにある古いモデルの少量注文にも対応する必要があるなどの経営課題がありました。これまでは、生産情報や在庫情報を人が聞き取って紙で収集していたために全体の把握に時間が掛かり、中少量生産では効率が悪い状況でした。
そこで、多品種中少量生産に対応できる生産の仕組づくりのため、DXを取り入れることにしたそうです。
注目ポイントは、IoTデータ収集システム、生産管理システム、RPAの3つのデジタル技術を融合した仕組みを独自に実現されたことです。
IoTデータ収集システムと生産管理システムをリアルタイムかつ双方向にデータ共有することで、生産情報を即時に把握できるようになったほか、生産順なども柔軟に調整ができるようになりました。加えて、手間のかかる生産管理システムのマスタデータの更新もRPAにより自動化することで、より効率的な生産を可能にし、量産型から多品種中少量生産型へ事業転換を実現しました。工程進捗と在庫数のリアルタイム情報化により生産計画も精度が上がり、付加価値と労働制の向上に繋がり、さらに、計画担当者の負荷も軽減されました。このことによって、売上利益18パーセント増、短納期・低コスト化、競争力向上などに繋がりました。
しかし、全ての社員がデジタルにすぐ慣れるわけではなかったそうです。そこで、丁寧な説明はもちろん、ボタンの配置を工夫するなどの“使いやすさ”にもこだわり、社員の理解を得る努力を重ねてきたそうです。
各ラインに設置されたIoT機器に伝票と作業者の二次元コードを読み込ませ、生産実績情報を収集。モニターで進捗状況等を即時に把握します。
最終チェックは人の目でしっかり確認
こちらもご覧ください
第1回「埼玉DX大賞」ホームページ
・受賞事業者紹介動画(外部サイト)
・表彰式取組紹介動画(外部サイト)
おわりに
DXの取組に関してのお話に加え、新事業のお話もしていただき、革新を続けていくエネルギーを感じさせていただきました。これからも熊谷市中小企業の先導役としてご活躍いただきたく思います。
植田耕司代表取締役社長、植田一巧専務取締役工場長、朝比奈稔取締役経営企画室長を始め、温かく迎え入れてくださった日本メタルガスケットの皆様、本当にありがとうございました。
