【2026年4月1日施行】民法改正:共同親権と法定養育費制度の導入について
更新日:2025年11月10日
現在、離婚を考えているかた、または手続を進めているかたは、2026年4月1日に施行される民法改正のポイントを必ずご確認ください。この改正は、「子どもの利益を最も優先する」ことを目的としています。
離婚後の親権(共同親権の導入)のポイント
これまでは離婚後、父母のどちらか一方だけが親権者になる「単独親権」でしたが、今後は「共同親権」という選択肢が加わります。
| 選択肢 | 内容 |
|---|---|
| 共同親権 | 父母の両方が親権者となり、子どもの養育を共同で行います。 |
| 単独親権 | 父母のどちらか一方のみが親権者となります。 |
話合いで決まらない場合は、家庭裁判所が、「子どもの利益」を最も重視して判断します。
ただし、共同親権にすることで「子どもの利益を害する」と判断した場合、単独親権となります。
- 具体例:子どもへの虐待の恐れがある、一方の親から他方の親へのDV(暴力)の恐れがあるケースなど
- 家庭裁判所は、証拠の有無にとらわれず、さまざまな事情を総合的に考慮して判断します。
| 行為の種類 | 判断のしかた |
|---|---|
| 日常的なこと | 一方の親が単独で判断可能(例:食事、服装、風邪の治療など) |
| 重大なこと | 父母が共同で判断(例:子どもの転居、進学先の決定、重大な医療行為など) |
| 緊急時のこと | 一方の親が単独で判断可能(例:緊急避難、急を要する医療行為など) |
養育費を確保するための変更点
1法定養育費制度(暫定的な支払義務)
養育費の取決めをしないまま離婚した場合でも、相手に一定額の養育費の支払が義務付けられます。
- 目的:正式な取決めができるまでの間、子どもの生活に必要な一時的な支払を確保するため
- 金額:現在、月額2万円の支払を義務付ける省令案が示されています。
- 適用:2026年4月1日以降に離婚した父母に適用されます。
2養育費を回収しやすくする仕組み
養育費の不払いがあった場合でも、より確実に回収できるようになります。
- 優先的な回収:養育費の支払を求める権利に、他の借金などよりも優先して弁済を受けられる権利(先取特権)が与えられます。
- 手続の簡素化:父母間で養育費の金額や支払時期などを文書で取り決めていれば、すぐに裁判所に給与の差し押さえなどの手続を申し立てられるようになります。
その他の重要な改正点
- 親の責任の明確化:離婚しても、親は子どもが自立するまで自分と同水準の生活を保証する強い義務(生活保持義務)を負い続けます。
- 財産分与請求期間の延長:財産分与の請求期間が、離婚後2年から離婚後5年に延長されます。
- 婚姻中別居時の親子交流:婚姻中でも別居している場合、離婚後と同様に親子交流について定めることができるようになりました。
その他、詳細については、下記ページからご確認ください。
民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について(外部サイト)

