砂糖の代用甘味料
更新日:2025年6月1日
甘くて美味しいお砂糖ですが、
予防方法として、砂糖の代わりにむし歯になる危険性の低い甘味料を使う方法が考えられてきました。
代用甘味料は20種類以上あります。名前をよく聞くキシリトールは、砂糖と違いむし歯菌の栄養源とならず、歯を溶かす酸を作らせない性質を持ちます(非発酵性糖質)。マルチトールはそれに加え、むし歯菌が歯にくっつくのを邪魔する作用もあります。
アスパルテームやアセスルファムカリウムなどの人工甘味料は砂糖の100から200倍の甘味度を持ち、カロリーが非常に低い特徴があります。しかし、脳の食物報酬経路を活性化し甘いものへの欲求を生じさせる事で、カロリーの過剰摂取の原因となる可能性も指摘されています。また、健康への影響に関する調査報告も、危険とするもの、安全とするものとがあり継続的な多量の摂取には議論の余地があります。
調理で活用する場合、砂糖の甘味に近いため、エリスリトールとステビアを組み合わせた甘味料が市販されています。またスクラロースは甘味が最も砂糖に近いとされています。
私達が口にする食品には砂糖を含むものが多くあり、摂らないようにすることは不可能と言えます。日常的に摂取する砂糖によってできるむし歯を防ぐことで初めて、むし歯予防効果があると言えますが、現在のところキシリトールにより予防するためには多くの摂取量が必要であり、困難であるというのが現実のようです。
むし歯の予防には砂糖を含む飲食物を摂る頻度を減らすこと、具体的には間食の時間を決め、規則正しい食生活を送ることがとても重要です。
甘いものはお祝い事や友人との会食などで食べることが多いので、そのような時は適量を心置きなく食べるのが良いでしょう。
代用甘味料はメリット、デメリットをよく理解した上で、部分的に取り入れるのが良いと思います。
熊谷市歯科医師会 植野 琢也(うえの たくや)
