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その首こり、大丈夫?

更新日:2025年9月1日

 今回は首こりのお話です。首の後ろには頭を支える筋肉が肩や背中まで連なっており、こうした筋肉が緊張してこわばると首こりとしての痛みが発生することがあります。脳の重さは体重の約2パーセント ですが、頭全体の重さは体重の約10パーセントと言われていて、体重50キログラム の場合だと頭の重さは約5キログラム です。
 昨今、スマホ首といってうつむいてスマホを操作したり、姿勢が悪いと首に負担がかかります。(頭を45度傾けるだけで、首にかかる負荷は4倍になるそうです。5キログラム だったら約20キログラム !) 首の筋肉は疲労しやすいことこの上ありません。
 頭を支えるには、筋肉だけでなく背骨も重要な要素です。背骨は、主に脊椎せきついと呼ばれる骨と、脊椎の間の椎間板ついかんばんから成ります。脳と連なる太い神経の「脊髄せきずい」は、背骨に覆われて保護されており、各脊椎の間からは、「神経根しんけいこん」と呼ばれる細い神経が分岐しています(首の部分の脊椎は頚椎けいついと呼ばれ7つあります)。当然、姿勢が悪いと筋肉のみならず背骨にも負担がかかりますので、徐々に頚椎や椎間板が変形していきます。
 多くのかたは、姿勢が悪いなどの筋骨格系由来の痛みが原因ですが、症状が長期にわたると、頚椎などが変形して脊髄や神経根などの神経が圧迫される神経由来の痛みが生じるようになります。更に、手足のしびれや力の入りにくさ、うまく手が動かない(字を書きづらいなど) およびうまく歩けないなどの症状が出現し、日常生活に影響が生じるようになると、頚椎症性脊髄症や神経根症などと診断されます(同様の症状は脳疾患でも発生することもあります)。

 治療法としては、痛みに対しては投薬や体操などの保存的治療に加え、普段の生活で首に負担をかけるような姿勢異常や生活習慣の見直しや、枕の高さ調整などでも症状の改善が得られます。保存的治療で症状の改善がなく、生活に支障のある運動機能症状があれば手術治療が望ましいこともあります。
 体も物と同じで経年劣化しますので、日々の生活で自分の体をメンテナンスすることを心がけ、大事に使うことが大切です。症状に心当たりのあるかたはかかりつけの先生に相談されたり、病院を受診して精査されてもいいと思います。

             熊谷市医師会 仙北谷 伸朗(せんぼくや のぶお)

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