それって狭心症じゃない?
更新日:2025年11月1日
心臓は握りこぶし大の大きさで、厚い筋肉でできた袋です。その心臓が血液を全身に送り出してくれるポンプの働きをしており、1日で約10万回も動いています。心臓も栄養なしでは動くことができません。その心臓に栄養を届けてくれる血管を冠状動脈といい、この冠状動脈が狭くなり十分な栄養を心臓に届けることができなくなる状態を狭心症といいます。
血管が狭くなる原因として高血圧症、糖尿病、脂質異常症などの冠危険因子といわれるものが原因となる動脈硬化によるものと血管壁の急な収縮によるものとがあります。前者を労作性狭心症、後者を

では、狭心症が疑われた場合、どのように診断し、どういった治療が行われるのでしょうか。検査の方法としては運動負荷検査や造影剤を注射してのCT検査などがあります。冠攣縮性狭心症が疑われる場合は丸一日心電図を記録するホルター心電図を付けたりします。最終的にはカテーテルという細い管を手首や足の付け根の血管から挿入し冠動脈を造影し診断します。治療法ですが、労作性狭心症ではカテーテルを用いた血管内手術と外科的バイパス手術があります。冠攣縮性狭心症では血管の収縮を予防するための内服治療が行われます。
最後に市民の皆さんへのお願いです。すでに高血圧症や高コレステロール血症、糖尿病などで通院されているかたは、胸部症状がある際は必ずかかりつけの先生に相談してください。ご自身が冠危険因子をお持ちかわからないかたは、近くのクリニックで特定健診の予約をお願いします。特定健診では、心電図検査、血圧測定、糖尿病やコレステロールの検査を無料で受けることができます。ご自身のため、ご家族のためにも早期発見、早期治療に努めていきましょう。
熊谷市医師会 佐川 尚規(さがわ なおき)

