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慢性腎臓病 (Chronic Kidney Disease:CKD シーケーディー)って知っていますか?

更新日:2024年11月1日

 腎臓は、背中側の腰の辺りに左右1つずつあり、そら豆のような形をした、握り拳くらいの大きさです。腎臓は1個が150グラム程の小さな臓器ですが、心臓から送り出される血液の約4分の1が流れ込んでおり、生命活動や健康維持に重要な役割を果たしています。
 具体的には、血液をろ過して老廃物を排泄する、水分量・電解質を調整する、血圧を調整する、骨を強くする、血液を作るといった働きがあります。まさに“肝腎かなめ”の臓器です。
 近年、慢性腎臓病(以下CKD)という疾患が注目されています。様々な原因によって腎臓の働きが徐々に低下していく状態のことをいいます。血液検査や尿検査などで腎臓機能の低下や、蛋白尿たんぱくにょうが出るといった所見が続くと、CKDと診断されます。

【CKDの診断基準】 
次のいずれか、あるいは両方が3か月以上続いている状態
① 蛋白尿などの尿の異常
② 腎臓の働きの指標となる糸球体しきゅうたいろ過量(GFR)が正常の60%未満に低下

 日本ではCKDの患者さんは約1,480万人(成人の7人に1人に相当)いると推計され、新たな国民病とも言われています。個人差はありますが、CKDは徐々に進行していく特徴があり、放っておくと将来、腎不全治療(透析療法や腎臓移植)が必要となる可能性があります。さらにCKDは心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中)のリスクを上昇させることもわかっています。

 CKDの原因は様々ですが、代表的なものとして、糖尿病や高血圧、脂質異常症、高尿酸血症、肥満といった生活習慣病に起因することが多いと言われています。そして、CKDはかなり進行しないと自覚症状(息切れ、むくみ、疲労感、食欲低下など)が現れません。そのため、早期発見が重要です。毎年、健康診断を受けていただき、必要があれば、しっかりと治療を受けましょう。また、最近CKDの進行を遅らせる薬も使用できるようになっています。ぜひ、かかりつけ医の先生に相談してみてください。

熊谷市医師会 野原 惇(のはら あつし)

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