聖天堂の彫刻1 二つの鳳凰
更新日:2011年6月1日
聖天堂は、奥殿と拝殿を中殿が結び付ける「
それらの彫刻は、上州花輪村(現在の群馬県みどり市)の彫刻師であった
鳳凰(北側)
18世紀中期以降、寺社建築における彫刻と彩色の技法は、装飾性を含んだ上で進展しており、その流れの中で技術を高めた吟八郎やその弟子たちによって、数多くの聖天堂の彫刻が作られていきました。
その中で、精緻を極めた彫刻の最たる例が、奥殿の外部における南側と北側に施された一対の「
この彫刻は吟八郎の次の世代である名工二人によって彫られたものであり、南側を
鳳凰(南側)
この二つの彫刻は、今回の保存修理工事において、聖天堂から取り外され、彩色の復元が行われました。再び元の位置に戻った、二つの「鳳凰」。彩色と共によみがえった鋭い眼光からは、彫刻師たちの情熱がうかがえます。