ジャンボタニシの被害を防ごう!
更新日:2023年8月16日
市内において、ジャンボタニシ(正式名称:スクミリンゴガイ)の発生及び水稲の食害が確認されています。
水田は、土壌や水、水路など、多くの人が共有で使用するもので成り立っています。
水稲関係者一人ひとりが防除意識を持ち、地域で一丸となって防除に取り組みましょう。
ジャンボタニシの卵
ジャンボタニシの成貝
在来タニシとジャンボタニシの比較
ジャンボタニシとは
どこからきたの?
原産地:南米
国内では、1981年に食用として台湾から輸入され、約500か所もの養殖場ができた。しかし、「食味が日本人の好みでなかった」、「野生化した貝が水稲に被害を及ぼし、輸入禁止になった」、「広東住血線虫の中間宿主であることが判明した」等の理由により、国内での養殖は消滅した。現在は関東以南の都府県で発生が確認されている。
どんな生き物?
- 大きいもので7から8センチメートルにもなる大型の淡水性巻貝
- 殻の色は黄褐色や黒褐色で、横縞がある
- 長い触覚を持っている
- ほかのタニシと比べ、
螺旋 上部の長さが短く、ずんぐりしている - 卵は濃いピンク色で、200から300個の小さな卵が固まり、卵塊を作る
- ふ化した稚貝が水に落下しやすいよう、用水路の壁や稲、雑草などに産み付けられる(水中には生まない)
- 卵内部は神経毒に満たされているので、素手ではさわらないこと!
- 雑食性で、浮草や藻などの柔らかい植物のほか、魚の死骸も食べる。
- 稲を好むわけではなく、田んぼに稲しかないから食べている
防除方法
秋冬期の対策
1.田んぼの耕耘
物理的な粉砕を行うとともに、貝を厳寒期の寒風にさらしましょう。
ポイント
- 土がよく乾いた条件で行う(1から2月頃)
- 低速、高回転、浅耕で行う(走行速度が速かったり回転が遅かったりすると、刃の間からジャンボタニシがすり抜けてしまいます。)
- 使用後にはトラクターに付着した泥を洗い流す
2.石灰窒素の散布
殺貝効果のある石灰窒素を散布しましょう。
ポイント
- 水温が17度以上の時期に、3から4日間湛水を保った後に散布する
- 田面水は水路に流さず自然落水させる
- 窒素分が多いため、次期作の施肥量を調整する
3.水路の泥上げ
越冬場所をなくし、貝を寒風にさらすため、水路の泥上げを地域全体で行いましょう。
ポイント
- 厳寒期に実施する(1から2月)
- 掘り下げた泥は、未発生ほ場に持ち込まない
春夏期の対策
1.取水口や排水口への網の設置
水口からの侵入を防ぎましょう。
ポイント
- 9ミリメートル程度の細かい網等で、越冬した1.5センチメートル以上の個体を捕らえる
- 目が細かすぎるとゴミがすぐたまって掃除が頻繁になるので、1センチメートル以下の稚貝はあきらめる
2.石灰窒素の散布
殺貝効果のある石灰窒素を散布しましょう。
ポイント
- 荒起こしした後、3から4センチメートルの水を張って3から4日放置し、その後、石灰窒素を散布して3から4日水を張っておく。(自然落水)
- 田植えは石灰窒素の散布から1週間以上空ける(石灰窒素の薬害防止)
3.卵塊の除去
卵がふ化しないように水中に落としましょう。
ポイント
- 広域で取り組む
- 卵の色が黒や白っぽくなったものは、水の中でもふ化できてしまうので潰す必要がある。
4.餌でおびき寄せて捕殺
キャベツなど野菜の端切れを活用して一気に集まったところを捕獲しましょう。
ポイント
- 柔らかい草を好むので、キャベツやレタスなどの葉物を与える
- 嗅覚があるので、においのするものでおびき寄せる
5.浅水管理
ジャンボタニシは水中でしか食べられないことを利用して、浅水管理を行おう。
ポイント
- 田植え後から2週間、水深4センチメートル以下で管理する
- 平らな代掻きをして、水溜りができないようにする
6.薬剤の散布
効果のある薬剤を使用して殺貝しよう。
ポイント
- 被害が出る前に、移植後すぐに散布する
- 湛水状態で散布する
- 水持ちが悪いと効果が落ちるので、丁寧な代掻きを行う
関連情報
スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の被害防止対策について(農林水産省)(外部サイト)