総務文教常任委員会 神奈川県川崎市「南部学校給食センター整備事業」、愛知県豊川市「小坂井地区の公共施設再編整備について」、「豊川市防災ドローン航空隊について」、「豊川市防災センター整備事業について」
更新日:2019年12月3日
総務文教常任委員会では10月28日、29日の2日間、行政視察を行いました。
参加者
委員長 千葉義浩 副委員長 新島一英
委員 大山美智子、小林一貫、林幸子、閑野高広、小島正泰
10月28日 神奈川県川崎市「南部学校給食センター整備事業について」
川崎市は、中学校給食について、平成29年9月から、順次、敷地内に給食施設が建築可能な学校は自校方式に、建築不可能な学校は学校給食センター方式とすることとしました。現在、市内に学校給食センターが3カ所あり、48校が学校給食センター方式、4校が自校方式となっています。
学校給食センターの整備に当たっては、3カ所とも設計・建設・維持管理・運営業務を包括的に発注することにより、民間のノウハウを活用し、サービスの向上、経費削減、財政負担の平準化等を図るため、PFI(Private Finance Initiative)手法を用いて整備することとし、事業方式は、事業者が施設の設計及び建設を行った後、施設の所有権は市に移転するものの、事業期間の終了までの間、事業者が本施設の運営及び維持管理を行うBTO(Build Transfer Operate)方式としたとのことです。
視察した南部学校給食センターは敷地面積約8,700平方メートル、延床面積約7,200平方メートル、鉄骨造2階建てで、1日2種類の献立、最大15,000食のほか、1日最大150食のアレルギー対応食の供給能力があり、予備2台を含めた合計24台の配送トラックにより、市内22の中学校に給食を提供しております。安全で衛生的な給食を提供するため、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)の衛生管理手法を取り入れ、調理員や食品を一方通行とし、逆戻りしない作業工程にするなど徹底した衛生管理や、食育のための工夫が随所に施されていました。
10月28日 愛知県豊川市「小坂井地区の公共施設再編整備について」
豊川市では、今後50年間で市の公共施設の保有面積を30%縮減、年平均トータルコストを43%縮減することを目標とし、「保有総量の縮減」と「計画的な維持保全による長寿命化等」の2つの方針により適正配置を目指すこととしております。
今回お話を伺った小坂井地区は、合併前の小坂井町の中心エリアで、小坂井庁舎及び児童館や図書館などの周辺の公共施設全体を対象とした再編整備を行い、新たに建築される小坂井地区交流会館は、支所機能、児童館機能、生涯学習・コミュニティ機能、図書館機能を持ち、地上2階建て、延べ床面積約2,800平方メートルの施設で、令和3年1月の完成予定であります。この施設再編により、小坂井地区の公共施設の面積は約6割程度縮減されたとのことです。
また、豊川市では、「計画的な維持保全による長寿命化等」を実現するため、公共施設マネジメントを所管する財産管理課に建築技術職を2名配置し、毎年市の全施設をチェックし、市全体の中で工事優先順位をつけ、予防保全に取り組んでおります。さらに、財産管理課で予防保全に係る予算約20億円を執行できるようにしたことから、市全体の工事優先順位に従って予算範囲内の工事のみ設計を行えばよいこととなり、業務量の削減につながったとの説明がありました。
10月29日 愛知県豊川市「豊川市防災ドローン航空隊について」、「豊川市防災センターについて」
「豊川市防災ドローン航空隊について」
豊川市では、災害時の被害情報を災害対策本部で的確に把握するため、平成29年から防災用ドローンを導入しており、現在は4機体制で、使用用途や性能により使い分けているとのことでした。
平時には、火災後の原因調査、台風後の被害調査、各種訓練や総合防災訓練での訓練状況の撮影、シティセールス用プロモーションビデオの撮影など、市の各種業務に積極的に運用しており、平成29年度28件、30年度37件、令和元年度は9月現在で24件の運用実績があるとのことでした。平成31年2月には、東三河地域防災協議会の主催でドローンにより集められた映像を活用した情報共有訓練を実施し、映像情報の有効性を検証したとのことでした。
また、ドローンで市内又は市域周辺の状況を撮影し、迅速かつ効率的に情報を収集するために豊川市防災ドローン航空隊SKY GUARD FOXを結成しました。現在の隊員は市の職員60名で、消防本部班、消防署班、事務系行政班、技術系行政班の4班で構成し、班ごとに活用方法の検討を行うほか、隊員の操作訓練を継続して行っているとの説明がありました。
「豊川市防災センターについて」
豊川市では、南海トラフ地震及び災害や風水害を含めたあらゆる災害が発生した場合に確実な初動体制を構築するとともに、全ての機関が一体的な対応を行う中枢拠点の整備が必要との考えから、災害対策本部機能や災害発生時に活動する各機関の拠点機能を備え、自主防災組織など、市民が研修及び訓練が行える施設として、鉄筋コンクリート2階建て、延べ床面積約1,205平方メートル、免震構造の防災センターを整備しました。
1階は主に市民への防災意識の啓発や防災教育のためのエリアで、市民研修室、防災啓発室等があり、2階は災害対策本部室、災害活動センター、防災対策課執務室など、市の災害対策機能を集約しております。
エントランスホールの床面に豊川市の地図を設置し、液状化の被害想定、津波の浸水想定、河川の浸水想定などさまざまなハザードを床の地図に投影することにより、危険な地域や避難に適した安全な場所を視覚的にとらえることができる工夫がされていました。
防災啓発室には、家庭用備蓄品などの展示、教材、映像等による啓発のほか、キッズスペースには絵本を設置し幼児にもわかりやすい工夫をしていました。
災害対策本部室に、愛知県内初となる、デジタル地図での情報集約が可能な「タンジブルシステム」を含む災害時オペレーションシステムを導入したことにより、被害状況の迅速な収集、把握ができ、災害対応方針の迅速な決定が可能とのことでした。発電機等を屋上に設置し、浸水発生時でも装置に支障がないようにしているとの説明がありました。