平成27年8月 環境産業常任委員会(愛知県豊田市 豊田スタジアム観戦客への観光施策について、三重県鈴鹿市 鈴鹿サーキットを核とした観光施策について)
更新日:2015年9月10日
環境産業常任委員会では、8月19日・20日の2日間にわたり行政視察を行いました。
参加者
委員長 福田勝美 副委員長 権田清志
委員 影山琢也、関口弥生、小林一貫、森新一、栗原健昇
8月19日 愛知県豊田市
豊田市は人口約42万人、面積は約918平方キロメートルの大きな都市で、本市と同様、ラグビーワールドカップ2019の開催地となっています。
会場となる豊田スタジアムはJリーグ名古屋グランパスのホームグラウンドであり、Jリーグの試合のほか、サッカー日本代表戦や大規模なコンサートが行われています。観光施策としては以前は市内の名所を回ってもらうということをやっていたこともあったそうですが、サッカーを見に来ている人はサッカーだけにしか興味がなくあまり盛り上がらないため、飲食物の販売やお土産の販売で魅力を発信し、次も豊田スタジアムでサッカーを見たいという人を増やす方針としているとのことでした。また、地元チームを応援するだけでなく、今後はアウェイチームのサポーターの受入れにも力を入れて豊田市に来てもらえるようにしていきたいとのことでした。
外国人客の受入れについては、外国語のマップを作成している程度であまり対応していないが、過去にサッカーの日本代表戦の際、列に並ぶなど日本での常識があまり通用しない国のサポーターが大勢来場してスタジアムや駅で混乱した反省から対応の強化が必要で、観光や道案内のボランティアだけでなく、マナーを啓発するようなボランティアも必要だと感じているそうです。
観光協会は商業観光課で事務を執っていますが、一番の課題として2019年までに法人化して独立させて宿泊の斡旋など戦略的な観光客受入れを展開していきたいとのことでした。
8月20日 三重県鈴鹿市
鈴鹿市は人口約20万人、面積約194平方キロメートルで規模は本市に近いまちです。伝統産業、ものづくりと観光戦略に力を入れているとのことでした。
鈴鹿サーキットは古くから知られていますが、市民がモータースポーツに触れる機会は少なかっため、モータースポーツ都市宣言をし、伝統産業と並びモータースポーツを市民文化として育てているそうです。子どもたちには市とモータースポーツの関わりについてなどの出前授業を行い、モータースポーツを通じて子どもたちに創造的な教育を行い、官民挙げてモータースポーツ観戦客のおもてなしを行っています。商業観光課に設置された観光・モータースポーツ振興グループでは観光客のおもてなしだけでなく、市民を対象にした普及啓発事業を行っています。鈴鹿サーキットでは日本グランプリのような世界大会のほか、5月から11月はほぼ毎週様々なレースが催されており、来場者も多いことから会場内に常設の観光案内所と土産物などの物販スペースがあり、さらにレース日には別に出店もするそうです。しかし、2006年を最後に日本グランプリが鈴鹿から撤退したことから、F1地域活性化協議会を設立し、再度日本グランプリを迎えるため官民協力による環境整備とおもてなし向上を図りました。この協議会は国、三重県、近隣自治体や交通、ホテル、小売業、地元自治会など様々なつながりを持つ機関が会員となり、地域が一丸となって取り組んでいます。日本グランプリは2009年から再び鈴鹿で開催されていますが、こうしたつながりにより国道バイパスを閉鎖して専用シャトルバスを走らせたり、周辺渋滞情報が一元化され提供されることで渋滞が緩和するなど以前よりも交通の円滑化がなされ、また、おもてなしの充実も図られています。
外国人客への対応についてはまだ途上で、今後は多言語標識の設置や市内の免税店を増やすほか、外国人にとってよそにはない魅力的な部分を発信したいと考えており、最近では8月下旬に東京で開催されたコンシェルジュの世界大会で行政機関として唯一協賛し、伝統産業である鈴鹿の墨を使った書道パフォーマンスや特産品のお茶をはじめとした食材の提供などでPRしたそうです。