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五家宝

更新日:2022年8月22日

五家宝が「100年フード」に認定されました!

2022年3月3日、文化庁の地域に根付く食文化を「100年フード」と名付けてPRする新制度で、熊谷銘菓の「五家宝」が伝統の100年フード部門で認定されました。
100年フードは、江戸時代以前から伝わる「伝統」、明治・大正から続く「近代」、昭和以降に生まれ今後100年の継承を目指す「未来」の3部門があります。
全国で認定された131件のうち、「五家宝」は特筆した価値を有すると評価され、15件の「有識者特別賞」を受賞しました。

熊谷の代表的銘菓

香ばしいきなこの香り、どこか郷愁をそそる素朴な菓子として、草加煎餅せんべい、川越の芋菓とともに、熊谷の“五家宝”は埼玉三大銘菓の一つといわれています。
その起源は諸説あります。熊谷で“五嘉棒”の名で売り出されたのが文政年間(1818~29)でした。中山道の宿場町として栄え、市も開かれていた熊谷では、五家宝の原料となる「石原米」と称する良質の米がとれ、田畔あぜではきなことなる大豆が豊富に作られており、水飴の原料となる大麦も多く収穫され、生産に適していたようです。その後“五嘉宝”“五箇宝”の字があてられましたが、「五穀は家の宝である」という祈りを込めて現在の“五家宝”とつけられました。

五家宝の製法

もち米を一旦もちについてから薄くのばし、細かく砕いて煎り、あられ状にしたものをタネにします。五家宝の口ざわりに関わるのがタネならば、風味や外観を決定するのがきなこです。きなこの風味が五家宝の旨みを決定するといってもよいでしょう。タネをまとめて円筒状にし、より板(のし板)で長くのばしてから切ります。この工程は、飴の製法とも似ています。
五家宝は、今もなお昔から継承されてきた独特の手作り技法によって、熟練した職人の腕や勘に頼りながら、家内工業的に作られています。

健康的な自然食品として人気

日持ちも良いことから、土産物として人気を呼び、全国にその名を知られるようになりました。伝統的な技法を守り、添加物が一切使われていない五家宝は、控えめな甘さで消化も良く、滋養に富む自然食品として、近年の健康ブームのなかで再び注目を集めています。
また、店先から黄粉の香ばしい香りが漂う風景は、彩の国さいたまを代表する生活に潤いや安らぎを与える香りが感じられる風景として「埼玉の音風景・かおり風景10選」に選定されています。

R4年度立正大学インターン生によるレポート

 五家宝の名店「花堤」様にご協力頂き、実際に職人さんが五家宝を作っているところを拝見させて頂きました。
お話によると、五家宝を作る際、五家宝を包む皮の水あめの熱が冷める前に伸ばす作業をするため、職人同士の素早い協力が求められるとのこと。梱包を行っていた職人さんはその時になると、中身に使われているあられに水あめを素早くムラなく混ぜ始めます。(タネの完成) 皮の用意が終わると同時にタネを皮に包むため、皮を作る職人さんとタネを作る職人さん双方の素早い協力が必要で、この協力があってこそ慣れ親しんだ伝統の味を作ることができるとおっしゃっていました。
 また、「花堤」様の五家宝の味のこだわりについてお伺いしたところ、きなこの味はもちろんのこと、水あめの量も重要で職人さんの腕の見せ所だとおっしゃっていました。熟練の技であるからこそ出せる、手作りながらも変わらない五家宝の味は「伝統」の100年フードにふさわしい熊谷の銘菓であると感じました。
 今後の展望について「花堤」様は、元々五家宝のタネやきなこを卸していたことから、伝統を維持しつつも新たな味への挑戦を目指していると伺いました。2022年現在は夏季限定で塩レモン味の五家宝を販売中で、本来の味を残しながらレモンの華やかな香りを楽しめる五家宝となっていました。 
(令和4年8月10日)

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