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能美防災株式会社 メヌマ工場

更新日:2023年12月19日

能美防災株式会社メヌマ工場

令和5年11月13日(月曜日)、総合防災設備メーカーの能美防災株式会社メヌマ工場を訪問しました!
能美防災株式会社は、防災事業のパイオニアとして、火災報知設備、消火設備をはじめとした各種防災システムの研究、開発、製造、施工、保守まで一貫して行い、一般的なビルのほか、プラントやトンネル、スタジアム、空港といった大規模物件にも個別にシステムを開発・対応し、国内外から高い評価を得ています。また、夏の熊谷駅や籠原駅で大活躍の「ドライミスト®」も、スプリンクラー設備の技術を生かし、名古屋大学や清水建設株式会社などと共同開発によって生まれました。愛知万博、六本木ヒルズ、秋葉原クロスフィールドなどにも導入されたそうです!

創設者、能美輝一氏の想い

創設者である能美輝一氏は、大正12年(1923年)9月1日に発生した関東大震災の惨状を目の当たりにし、甚大な被害の原因は地震ではなく火災にあると考え、強い信念を持って火災予防の研究を始めました。当時は、火事が起きたら延焼を防ぐ「火消し消防」が主でしたが、火災予防の重要性を粘り強く説き、世に広めていきました。昭和に入り、国宝建造物を始め、皇居に自動火災報知設備が設置されたことは、防災設備が普及される契機となりました。その信念と不屈の精神は、現在まで受け継がれているそうです。

妻沼西事業所

妻沼西事業所(妻沼西一丁目)は、最新のコンピューターや産業用ロボットを駆使し、住宅用火災警報器「まもるくん」などの量産品を製造しています。各製造ラインには適材適所の自動化システムが導入され、重要なポイントでは人間の目でチェックを行い、より確実な製品管理が行われています。
こちらは、見学も多く受け入れていることから、見学設備も整っていました。案内者の丁寧な説明に市長も興味津々な様子で「プリント基板から作っていたんだ。外からじゃわからないね。」と驚いていました。
 

エントランスでは、火災報知機などの各種機器が展示されていました。こちらでは、お馴染み火災報知機の発信機を押す体験をさせていただきました。よく目にしますが、実際に押したことのある方は少ないかと思います。こちらは誤作動防止のため、思ったより力が必要なので「親指」で押すのが良いとアドバイスをいただきました。従来の火災報知器というと、赤い突起の表示灯とセットのイメージがありましたが、現在は壁と調和されたデザインに変更され、「 2014 年度グッドデザイン金賞」も受賞しています。

妻沼東事業所

場所を移動して、妻沼東事業所(妻沼)です。妻沼にそびえ立つガラス張りのビルが気になっていた方もいるかもしれません。こちらは体験型PR施設「能美テクノリウムメヌマ」です。この5階建てビルは広範囲にわたる製品群が展示され、全て見るとなんと丸二日かかるそうです。行政・民間問わず防災関係者が毎日のように見学に来ていて約半年先まで予約がいっぱいとのことです。見どころ満載の施設ですが、一押しの展示に絞っていただき、市長が防災体験をしました。

火災実験場でスプリンクラー消火実験を見学

防災の第一歩は「火災を知ること」として、あらゆる火災発生状況のシミュレーション実験を行うため、ガス消火実験室やデータセンター実験室など様々な状況を想定した実験室があるそうです。今回は、1階火災実験場で、スプリンクラーが実際に消火する様子を見学しました。火が上がると、天井まで届く前にスプリンクラーが素早く作動し、あっという間に鎮火。予想よりも広範囲で威力のある放水でした。他にも泡消火設備を見学させていただき、いざという時の頼もしさを感じました。

自動火災報知システムを見学

次は、2階にある自動火災報知システムを見学しました。
防災をトータルで提供するために、モノ作りだけではなく、システムの研究、開発からメンテナンスまで一貫した責任体制をとり、様々なニーズに合わせて最適な防災システムを構築しているそうです。
こちらでは、ビルなどにある自動火災報知設備のシステム連動の様子を見学しました。煙感知器が煙を感知すると、火災受信盤や非常放送盤などが設置された防災センターにて警報が鳴動するとともに、火災が進行すると次々に防火シャッターなどの端末機器が作動します。防火シャッターは人が挟まれると一時的に止まる安全機能が備わっていたり、火災警報装置は聴覚障害があるかたにも危険を認識できるように光でお知らせしたり、各所に安心安全へ配慮がなされていました。
 

煙中での誘導灯などの見え方を体験

次は、煙中での誘導灯などの見え方体験です。
こちらは、火災と判定される煙濃度の部屋と避難困難となる煙濃度の部屋の二部屋で構成され、実際に煙の濃度でどれくらい見え方が違うかを体験できます。
まずは、火災と判定される煙濃度の部屋です。こちらは、少しぼんやりと煙に覆われながらも10メートル先にある誘導灯もはっきりと見え、市長は普段通りの足取りです。

次の部屋は、避難困難となる煙濃度の部屋です。この濃度になると慣れた場所でも避難困難となるそうで、誘導灯を頼りに慎重な足取りになります。市長も思わずカメラを振り返って「ここにいるよ」と手を振りましたが、シルエットが浮かぶくらいにしか見えません。
慣れた場所であっても、有事の際には視界が悪いとパニックになることも想像でき、誘導灯を始め、避難経路を日ごろから確認しておく重要性を改めて認識しました。

おわりに

最後は、最上階です。こちらでは、旧製品の展示と企業紹介映像を観させていただきました。旧製品の変遷が分かる展示では、大正13年創業から改良が重ねられ現在に至る歴史を感じることができます。窓からの眺望も良く、熊谷市全域を見渡すことができ、天気が良い日によっては富士山も見えるそうです。

今回の企業訪問では、能美防災株式会社の皆様が自社製品に誇りを持つとともに、防災の重要性を肌で感じてもらいたいという使命感を感じさせていただきました。
岡村武士社長、上吹越慎執行役員、踊恵支執行役員、小金丸和幸工場長を始め、お忙しい中温かく迎えてくださった能美防災株式会社の皆様、本当にありがとうございました。

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