江戸時代中期の彫刻技術の最先端が詰め込まれた作品
諏訪神社本殿は、当地の代官であった柴田信右衛門豊忠によって延享3年(1746)に創建されたと伝えられ、その後、嘉永5年(1852)に再建されました。
国宝「歓喜院聖天堂」の造営に深く関わった旧三ヶ尻村(現在の熊谷市三ヶ尻)出身の内田清八郎が大工棟梁となり、上州花輪村(現在の群馬県みどり市)出身の石原吟八郎が彫刻を担当しました。また聖天堂再建時の棟梁であった林兵庫正清が細工のデザインに関わるほか、彩色は聖天堂と同じく狩野派の絵師によって施されました。
現在、彩色の多くは薄れていますが、人物や動植物のきめ細かな彫刻群は、当時の熊谷地域が彫刻技術の最先端の地であったことを示す貴重な証しとなっています。
諏訪神社本殿は、2016年3月15日に埼玉県指定有形文化財となりました。
諏訪神社本殿