妻沼聖天山の入り口に建つ荘厳な門
妻沼聖天山の入り口に建つ大きな門。それが貴惣門です。貴惣門は、嘉永4年(1851)に完成し、棟梁は歓喜院聖天堂の建築を率いた林正清の子孫林正道がつとめました。
江戸の中期から後期にかけて、妻沼地域の北を流れる利根川では大洪水が度重なり、幕府は岩国藩(現在の山口県)に、妻沼の復興工事を命じました。藩士の中には、有名な錦帯橋(岩国市)の架け替えをした長谷川重右衛門がいました。建立中の聖天堂を見た重右衛門は、貴惣門の設計を思い立ち、正清に設計図を託します。この時から100年余りを経た嘉永4年(1851)、お寺の門としては県内最大級の貴惣門が、ようやく完成しました。
三つ重なる破風(山型の部分)と呼ばれる形状は、日本に4例しかなく、とても貴重で、細かく彫られた数々の彫刻は見ごたえがあります。貴惣門は重要文化財に指定されています。

貴惣門(きそうもん)