歯周病と女性ホルモンの関係
更新日:2022年2月1日
歯周病は、細菌の塊である歯垢(しこう)(プラーク)が原因で感染する病気です。歯を失う原因は、実は歯周病が1番多く、次いでむし歯と言われています。また歯周病は、糖尿病や動脈硬化、心筋梗塞、肺炎、認知症など、重篤な全身疾患を引き起こしやすくなることはご存じの方も増えているかと思います。さらには、骨粗しょう症や早産・低体重児出産の誘因にもなると言われ、女性ホルモンと深く関わっています。
月経前、歯肉がむずむずしたり腫れたりした経験はありませんか?これは女性ホルモンの増加に伴う反応です。なお、妊娠中に歯周病になると、早産で低体重児が生まれるリスクが7倍に上がるデータがあります。また、産後は育児に手が掛かり、自分の口腔(こうくう)ケアは粗雑になりがちです。出産後に歯周病になる人も多いので、妊娠前にむし歯や歯周病治療を済ませておきましょう。
そして更年期を迎えると、今度は女性ホルモンの減少に伴い、骨粗しょう症になりやすく、顎の骨も吸収、また唾液分泌量が減少する為、歯周病が進行しやすく、口腔乾燥(ドライマウス)に悩む女性も多いです。
このように歯周病は、女性ホルモンの増加・減少ともに発生しやすいため、女性の方が男性よりも歯周病になりやすく、かかりつけ歯科医院での定期的な検査、歯石除去をしていただくことが大切な予防法になります。
熊谷市歯科医師会 仁平 淳子(にへい じゅんこ)
