体調の変化を感じやすい時期はありますか?
更新日:2021年12月1日
季節の変わり目に体調不良を感じる方も多いと思います。なんとなくだるい(倦怠(けんたい)感)、疲れる(疲労感)、無気力、日中でも眠気が取れない等、体調の変化を感じやすい時期としては、年末年始、お盆休み、ゴールデンウィーク等の連休前後も多いようです。年末年始に体調変化を感じる方が多いとの調査結果から「正月病」という場合もあるそうです。原因としては「食生活の乱れ」「生活リズムの乱れ」「睡眠リズムの乱れ」が生じやすい上、外気と室内との寒暖差が大きい時期では体力が消耗しやすいことや、自律神経の乱れから様々な体や心の不調が発生することが考えられます。
気温が下がる時期には体の血液の流れが滞り、肩こりや腰痛などが起きやすくなります。夏期はシャワー浴で済ませてしまう場合もありますが、体の冷えの予防を考えると夏期でも38~40℃程度の湯船にゆったりとした気分でつかるようにしましょう。冬期の外出時の防寒対策としては、体温の調節がうまくいくように首元をしっかりと保温することが大切です。手袋やマフラー等の小物を上手に取り入れて快適に出掛けましょう。軽く汗ばむ程度に適度な運動を心掛けることも推奨されています。人間の筋肉は大腿(だいたい)など下半身に多くありますので、正しい姿勢で歩行するだけでも筋力トレーニングになり血流が良くなります。
また、食事の面では主食、主菜、副菜をバランスよく取り入れた食事をとることも大切です。ご飯や麺類、パンは主に糖質になる食品として熱源となり、肉や魚、卵、豆製品はたんぱく質を多く含んでいますので体を作る食品となります。人体の約60パーセントは水分ですが、20パーセント程度はたんぱく質ですので、水分を除いた重量の約半分がたんぱく質ということになります。また、寒い時期には体を温める働きがある食品として生姜(しょうが)やニンニク、根菜類をとりましょう。そして、早寝早起きの規則正しい生活リズムを保つことが大切です。季節、睡眠、ホルモン分泌のリズムを調整する作用がある物質の原料となるセロトニンが作られますので、学校や仕事が休みでも早めに起床して適度に太陽の光を浴びると良いでしょう。
熊谷薬剤師会 坂田 浩一(さかた こういち)
