慢性腎臓病(CKD)とは
更新日:2021年11月1日
慢性腎臓病(CKD)とは
腎臓は背中側の腰の辺りに2個あり、そら豆のような形をした握り拳くらいの大きさで重さは150グラム前後です。
腎臓は血液をろ過して、老廃物を尿として体外に排せつする、体の水分量を調節する、体液中の成分を適度な状態に整える、赤血球の生成や血圧を調節するホルモンなどを作るといった働きがあります。
近年、「慢性腎臓病(CKD)」という疾患が注目されています。元々の疾患が何であるかに関わらず、血液検査や尿検査等で腎機能の低下や、タンパク尿が出るといった腎臓の異常が3か月以上続くと慢性腎臓病と診断されます。
定義 1.2.のいずれかを満たす状態
1.尿検査で3か月以上続く尿蛋白(たんぱく)など腎臓病を疑う所見
2.3か月以上、糸球体ろ過量(GFR:腎臓の働きが表す単位)が毎分60ミリリットル未満(正常毎分100ミリリットル)
慢性腎臓病は病状が進行しないと自覚症状(むくみや倦怠〈けんたい〉感や息切れなど)が現れません。また一旦進行すると自然には治りにくいため、早目に病気を見つけることが大切です。そのためには尿や血圧や採血などの定期的な検査が必要です。高血圧、糖尿病、コレステロールや中性脂肪が高い、肥満、家族に腎臓病の人がいる場合は特に注意が必要です。(放置していると将来腎機能障害が進行して透析療法が必要になってしまう可能性があります)さらに慢性腎臓病は、心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患の危険因子になっています。かかりつけ医や健康診断で精査を勧められたら、早めに受診を検討してください。
熊谷市医師会 小瀧 周平(こたき しゅうへい)
