舌の正しい姿勢を知っていますか?
更新日:2021年10月1日
コロナ禍の現在、マスクの中の口呼吸が指摘されています。口呼吸を続けることは特に成長期の子どもにとって発育上悪影響があります。鼻呼吸をするためには舌が正しい姿勢をとってほしいところですが、舌の正しい姿勢というのを知っていますか?正しくは舌の先が上顎前歯裏側のザラザラした歯肉に接し軽く上顎に密着した状態です。これは教えることではなく自然とそうなるものですが、中には下図のように下がっている人もいます。
口呼吸のために舌が下がっているともいえるのですが、この状態を続けていると成長期には歯並びに悪影響があります。
〇舌から上顎への密着不足、圧力不足→上顎の発育不足→上顎の歯列の凸凹
〇鼻腔の発育不足(口腔の上に鼻があります)→鼻づまり、口呼吸
〇下顎の過成長(舌の先が下顎前歯に当たっている)→受け口
このため歯列矯正治療の場合だけでなく顔面領域の十分な発育のためには舌の姿勢に留意する必要があります。
舌が下がっている場合の対処法の1つに医師の今井一彰先生が考案した『あいうべ体操』があります。
10セットを1日3回、各々1秒ずつお口の周りの筋肉を動かすことを意識してやってみてください。ベ~と強く舌を出した後確認すると舌が正しい位置にあるのが分かると思います。
この運動により口の周りの運動不足が解消され筋肉バランスが整えられます。子どもだけでなく成人でも小顔効果や唾液が出やすくなったり、虫歯予防や歯周病予防などの効果も言われているので、ぜひ試してみてください。
熊谷市歯科医師会 田中 治男(たなか はるお)
