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お口の中の粘膜の病気

更新日:2021年6月1日

 口の中の粘膜には歯肉、唇、頬の粘膜、口蓋や軟口蓋の粘膜(上顎の内側の粘膜)、口蓋垂(のどちんこ)、咽頭(喉の奥)、舌、口腔底(こうくうてい)(舌の下)などがあります。その粘膜にはいろいろと病気ができます。代表的なものをお話しします。
 口内炎は小さな潰瘍ができ、接触時の痛みが特徴です。通常は1から2週間で治ります。なかなか治らない口内炎は口腔がんの可能性があります。口腔がんの初期症状は口内炎で、進行すると触ると出血したり、しこりが出てきます。初期の段階で治療をすると5年生存率が90パーセントと良好ですが進行してしまうと50パーセントと低く、また治っても重い機能障害が残ることがあります。2週間以上治らない口内炎は歯科受診をお勧めします。
 白板症は白い病変で拭っても落ちない病気でがん化する可能性があるために前がん病変と言われます。通常、痛みは伴いません。扁平苔癬(へんぺいたいせん)は頬の粘膜に多く認め、白い粘膜がレース状に見られる病気でしばしば潰瘍や痛みを伴い、まれにがん化します。
 口腔カンジダ症はカンジダ菌というカビの菌によって起こる感染症です。口の中が赤くなったり白い点々が見られたりヒリヒリします。カンジダ菌は口腔内に常在している菌ではありますが、全身衰弱や薬、唾液の減少などによって異常に増えると病原性を発症します。
 ウイルス性口内炎は多数の口内炎ができ発熱や倦怠感(けんたいかん)が出ます。症状がひどいと接触時痛が出て噛(か)むことや飲むことが困難になり、その場合は入院が必要になります。
 口の中の粘膜が黒くなっている場合は、メラニン色素沈着や全身疾患からくる色素沈着があります。また、まれに悪性黒色腫と言ってとても進行が早いがんの可能性があります。数日単位で進行するために早期に治療開始が必要です。
 舌痛症は男性に比べ女性に多く発症し、舌がヒリヒリする病気です。痛みの原因を特定できず慢性的に持続するために日常生活の質が低下することもあります。原因は不明で精神的な要因、ホルモンバランスの変化、がん恐怖症、特殊な神経痛が関与しているとも考えられ、カウンセリングや投薬が必要です。
 その他お口の中の粘膜には様々な病気が存在します。少しでも気になったら歯科の受診をお勧めします。

熊谷市歯科医師会 中村 直史(なかむら なおし)

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