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部屋の換気について

更新日:2021年4月1日

 熊谷薬剤師会では、市内の全ての小中学校、高等学校等で会員の薬剤師が「学校薬剤師」の任務に当たっています。学校薬剤師の仕事には、環境衛生検査、くすり教育、薬物乱用防止教室などがありますが、今回は環境衛生検査の一項目の「教室内空気検査」をご紹介し、部屋の換気や感染防止対策との関係についてご説明します。

 新型コロナウイルス感染症の防止対策の一つに部屋の十分な換気があることは、皆様ご存じと思います。新型コロナウイルスだけでなく、結核、麻疹(はしか)、インフルエンザなど、感染者から会話や咳(せき)に伴って排出されるウイルスを含む飛沫(ひまつ)により伝染する感染症は様々あります。実は、新型コロナウイルス以前から部屋の換気を良好に保つことは、感染症予防の上でも大切とされてきました。

 学校の環境衛生検査では、教室の空気中の二酸化炭素濃度を測ることで換気の状態を評価します。きれいな大気中の二酸化炭素濃度は約400ppm(100万分の400)です。一方、人間の呼気には30,000ppmを超える二酸化炭素が含まれており、換気が悪い部屋に人が居ると空気中の二酸化炭素濃度は高くなっていきます。文部科学省の基準では、教室の二酸化炭素濃度は1,500ppm以下に保つこととされており、これは教室の空気が1時間当たり2~4回入れ替わっていることに相当します。

 換気の方法としては、窓側と廊下側の窓を常時10~20センチメートルくらい開けておくのが理想的ですが、暑さ寒さが厳しくて常時開けるのが難しい場合は、30分に1回以上、数分間窓を全開する方法もあります。一般的なエアコンには換気の機能がないので、エアコン使用中でも窓開けによる換気は必要です。窓がない部屋の場合は、常時入口を開けておく、換気扇(持ち運び式のサーキュレーターでもよい)を設置するなどの方法で換気に努めます。

 以上、学校の教室の換気と評価方法について取り上げました。同様の対策は、店舗や職場での新型コロナウイルス感染症の防止にも有効です。(ビルの二酸化炭素濃度の基準は1,000ppm以下)なお、換気は感染防止対策の一つであり、手洗い、咳エチケット、三密の回避などの対策も忘れないようにしましょう。

                             熊谷薬剤師会 富岡とみ おか 伸夫のぶ お

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