熊谷市立保育所における不適切な保育について
更新日:2024年6月1日
熊谷市立保育所において、市職員による不適切な保育がありましたので、概要についてお知らせいたします。
1 概 要
(1)熊谷市立吉見保育所
令和5年11月に在園児の保護者から申し出があり、関係職員にヒアリングによる確認・検証を行った結果、0・1歳児クラスで所長、クラス担任の主幹を中心に、職員計7名が不適切な保育を行ったと判断しました。
(2)熊谷市立玉井保育所
令和6年2月に在園児の保護者から申し出があり、関係職員にヒアリングによる確認・検証を行った結果、4・5歳児クラスの職員2名が不適切な保育を行ったと判断しました。
2 不適切保育が行われていた期間及び時期
(1)熊谷市立吉見保育所
令和4年4月~令和5年11月頃
(2)熊谷市立玉井保育所
令和6年2月
※恒常的なものではありませんでした。
3 不適切と判断した内容
(1)熊谷市立吉見保育所
0・1歳児クラスで所長とクラス担任の主幹の保育士を中心に、子供を責めるなどの心理的虐待に当たる不適切な保育が行われたこと。また、職員5名も、うなずくなどの同意や同調して不適切な発言をしたこと。
(2)熊谷市立玉井保育所
生活指導を受けた児童2人が、その場で泣いたまま返事をせず動こうとしなかったが、朝の会の点呼の際に、職員が「いません。」と発言したこと。
その後も、児童に声を掛けても返事をしなかったことから、職員が「先生が見える位置に居てください。」と伝え、部屋に2人だけを残し他の児童を連れて5分程度外遊びを行ったこと。
4 保護者への対応
(1)熊谷市立吉見保育所
保護者会において在園児の保護者全員に説明とお詫びをさせていただくとともに、対象児童の保護者に個別にお詫びさせていただきました。
(2)熊谷市立玉井保育所
対象児童の保護者に説明とお詫びをさせていただきました。
5 再発防止に向けた対応
(1)見守りカメラの運用
全ての公立保育所に保育の様子を記録するための見守りカメラを設置し、令和6年4月から運用を開始しています。
(2)見守り体制の強化(保育所巡回)
令和6年4月から保育課職員2名が全ての公立保育所を定期的に巡回し、保育の見守りと風通しの良い職場環境の構築に尽力しています。
(3)公開保育、保育参加の実施
少しでも保護者の方に保育の様子を見て感じてもらう機会を増やすことで御意見をいただきながら、より良い保育環境の充実につなげていきます。
(4)虐待防止に係る研修
様々な機会を通じて児童虐待に関する知識を学び、職員の意識定着を図っています。
(5)熊谷市保育所等虐待防止委員会
不適切保育に関する事案検証や再発防止に向けた検討を行う機関の設置に向け、準備を進めています。※6月に委員の選任、7月に開催の予定
6 保育環境改善に係る保護者アンケートの結果
(1)対象者
公立保育所在園児保護者(令和6年2月29日現在在園児数488人)
(2)回答率
34%(166/488人)
(3)アンケート結果概要
【問1】お子さんが保育園で安心して楽しく過ごせていると感じますか?
はい:139人(84%)
いいえ:4人( 2%)
どちらともいえない:23人(14%)
【問2】お子さんの様子や子育てについて保育士と話す機会はありますか?
はい:129人(78%)
いいえ:8人( 5%)
どちらともいえない:29人(17%)
【問3】保育士とコミュニケーションは取りやすいですか?
はい:124人(75%)
いいえ:8人( 5%)
どちらともいえない:34人(20%)
【問4】お子さんから、「先生から厳しく指導された」「先生から怒られた」等の話を聞いたことはありますか?
はい:42人(25%)
いいえ:109人(66%)
どちらともいえない:15人( 9%)
【問4】「はい」回答抜粋
・悪い事をしたら注意するのは必要な事だと思いますが、本人がなぜ怒られたのか分かっていないことがある。子どもが怒られた意味が分かるように伝えてもらえたらより良いと思う。
・必要なことに関しては保育園でも怒ってもらって良いと思う。必ずしも怒らない=良い保育ではないと思うので。
【問5】通っている保育園で、不適切だと感じる保育を見たり聞いたりしたことはありますか?
はい:20人(12%)
いいえ:123人(74%)
どちらともいえない:23人(14%)
【問5】「はい」回答抜粋
・何年も前のことですが、急にお迎えが必要となり伺った際に、給食時間で忙しかったのか怒声が聞こえて驚いたことがある。また、悪さをしたと思われる子が、小さい子クラスの後ろの席に座らされて反省させられていたこともあった。
・以前、上の子が通っていた時に、ホールに全員集められて怒鳴るように怒られていた。悪いことをすると1人で別の部屋に移されるとも聞いたことがある。
7 保育所全職員に対するヒアリングの結果
(1)対象者
公立保育所職員 239人
(2)ヒアリングから判明した注意を要すると思われる保育事例
・危険を感じたのか、咄嗟に大声を出していた。
・発表会に向けた厳しい指導や強い口調での叱責をしていた。
・栄養面を考え、給食を残さず食べるよう指導していた。
・尿意のない児童に対しても定期的にトイレに行くように指導していた。
※時期、対象児童、該当行為など該当職員を含め周辺の職員も記憶が定かではなく、事実の確認ができなかった。
(3)ヒアリング結果概要
注意を要すると思われる保育事例は上記のとおりありましたが、現状において不適切保育と断定できる内容は、確認されませんでした。ヒアリングで話に上がった該当職員には、個別に指導いたしました。また、不適切と感じられる言動に対しては、互いに声を掛け合い、注意しあえるような職場環境の構築を指示しておりますので、現状は改善されております。
今後、不適切と思われる事案が発生した場合には、見守りカメラによる確認を行うとともに、(仮称)虐待防止員会でしっかりと検証を行うことを想定しております。
8 市長コメント
複数の保育所で不適切な保育が行われていたという事態の重大性を重く受け止め、保育士全体の問題として、今後、職員の意識改革を図り、より一層の強い覚悟を持って再発防止と保育の改善、信頼回復に全力を尽くしてまいります。
園児の皆様、保護者の皆様、市民皆様に深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。